　税務申告 - baiksajaの日記

　2月から3月の前半にかけては、毎年気の晴れない時期である。去年も同じような事を書いたと思うが、僕の会社は12月決算なので1月に株主総会をやって決算を承認して、2月に税務申告をして2月中に納税しなければならない。税務申告も納税も、国税と地方税の2ヶ所になる。しかも法人の税務申告には付表が、間にカーボン紙を入れて2枚セットで書く物が沢山付くので本当に大変である。見る方も大変だとは思うが、僕は年に一度の事なので毎年、書く時にはもう書き方を忘れていて何時も大汗を掻く。税理士を使えば良いのだが、そんなに大きな会社ではないから今までずっと自分でやって来ている。今更音を上げるのもシャクだから、今年も意地を張って自分で書いた。国税事務所はそれ程遠くはないのだが、都税事務所は昔近所にあった事務所が都の行革で数年前に閉鎖されて、今は新宿の裏の方の、なにやらゴミゴミした処まで行かねばならない。入口には一応看板が出ているが、大通りから突然、あまりにも細い路地に入るので、ナビを使っても初めてだと行き過ぎてしまうような場所にある。
　この法人の税務申告を先週何とか終わらせると、直ぐに今度は自分の確定申告である。こちらは一年分溜めてある証憑の整理や仕訳に時間が掛り、面倒で中々手を付けられない。それでもやらない訳には行かぬのだからと、勇を奮って始めたものである。証憑の整理と仕訳さえ終えてしまえば、後の申告書の記入は国税庁のHPを使えばそれ程手間は掛らない理屈なのだが、国税庁のHPのセキュリティが何やら複雑で、しかも毎年更新されるので、結局何やかやと面倒な事になってしまう。今年も、最初は上手く印刷が出来ないトラブルに見舞われ、そうこうしている中に折角記入した物が保存出来ない事となり、大焦りをしてしまった。最後はブラウザーを変えて、ポップアップを無効にして、セキュリティの程度を変えたりして何とか書きあげた。僕は普段はファイアーフォックスを使っているが、国税庁やインターネットバンキングやインターネット証券ではエクスプローラーでないと上手く動かない事が圧倒的に多い。今日は最初にファイヤーフォックスを使ったのが不覚であった。インターネットで確定申告の記入が出来るのは大層便利でありながら、僕の様に辛うじてパソコンを操作している者には未だ色々と不便な代物である。
　最寄りの国税庁の出張所はこの時期は駐車場を閉じている。臨時のプレハブ庁舎を建てたりして、納税者の相談の対応に大わらわなのである。もっとも対応している人は殆どが地元の青色申告会所属の税理士である。青色申告会に入りなさい、と暗黙のプレッシャーを掛けられている気になるので、僕は相談には行かない。その税務署に行くのは、交通の便が悪くて電車やバスだと時間が掛りすぎるのだが、歩いて行くには遠すぎるし、自転車で行くには途中に大きな谷があって往きも還りもきつい上り坂を登らざるを得ない、酷くしんどい位置にある。だから僕は毎年バイクで行く。バイクは自転車置き場に止めさせてくれる。この時期だけは毎年駐車場の整理の人が出ていて、酷く親切なのである。もっとも、僕のバイクは場所に不釣り合いに大き過ぎて、整理の人が指示する場所では納まらない事が多い。
　今日の東京は穏やかな陽射しが心地良く、確定申告を終えてもそのまま帰るのが勿体ない、春めいた気候であった。そこで思い立ってトトロのシュークリーム屋に足を延ばそうと走り出して、もう目と鼻の先まで来てからはたと気付いた。今日は定休日であった。仕方がないのでタイヤ交換にタイヤ屋まで行こうかと電話をしたら、生憎僕のバイクのタイヤの在庫がないと言う。実はZZRの後輪のスリップマークがもう平らになっているのである。仕方がないから、今日の処は電話でタイヤを注文して家に帰った。と、余りパッとしない午後だったのだが、税務申告が全て終わってしまえば頗る気が楽になり、折からの春めいた陽射しである。何やらウキウキとして、家でやる一献も今夜は殊の外美味であった。