baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 なでしこ優勝

  後味の悪かった昨日のボクシング世界戦に反して、今日のなでしこはまたまた気持ちの良い勝ちっぷりであった。チームとしてもさることながら、毎試合各に選手一人々々が進歩しているのが目に見える。昨年のワールドカップの優勝は、何か神がかり的で、最後の米国戦などは気力と運で勝ちを捥ぎ取ったものの、試合内容では完全に圧倒されていた。それが先日のアルガルベ・カップの米国戦では対等以上に闘って勝つべくして勝ったし、今回のキリンカップの米国戦は、最後は引き分けであったが内容的には日本が押していた。そして今日のブラジル戦である。サッカー王国のブラジルに、終わってみれば4-1の圧勝である。内容的にも、得点通りの日本に優勢な試合運びであった。しかも監督の佐々木は、適宜若手も投入して選手層を厚くする努力も怠っていない。若手が入ってくれば当然連携プレーにはミスが出るが、個々のテクニックと果敢な攻撃精神がそんな不安を押し退けてしまう余裕すら出て来た。もっとも、地球の裏側から遠征して来たブラジルは、相当なハンディを背負っている。片道で機内が正味24時間、乗り継ぎなどを含めれば30時間近くを要する大遠征だったのだから、今日の戦いぶりが実力と侮ってはなるまい。ロンドンではやはり要注意である事に違いはない。
 それにしても、なでしこの最近の得点力は特筆に値する。日本のサッカーと言えば男女とも、得点力に乏しいと言うのが定説であった。ところがなでしこの最近の試合ぶりは、簡単には負ける気がしない得点力である。ボールを取った選手は常に相手ゴールに体を向けている。個人プレーは日々上達し、大柄な外国選手に当たられても簡単には当たり負けしない基礎体力を備えて来ている。川澄のような小柄な選手でも簡単に転がらないし、永里、安藤、鮫島のような選手はもう互角の当たり合いをしている。だから一旦取ったボールは簡単には相手に渡さない。そして相手の隙をついて、空いたスペースに全力で走り込み、果敢にゴールを試みる。そこには聊かの臆する処もない。一度で決められなくても、こぼれ球に誰かが詰める。そして何と言っても全員が良く走る。素晴らしい運動量である。フォワードもディフェンスもなく、誰もがボールのある処どこにでも顔を出している。今日もディフェンスの近賀が右サイドを駆け上がって、ダメ押しの4点目をアシストしたが、見ていてほれぼれする。ワールドカップで優勝した時は、なでしこのロンドン五輪の金メダルは正直な処未だ夢だと思っていたが、今日の試合ぶりならロンドンの金はリーチに入って来たと言って良かろう。何とも楽しみになってきた。今のなでしこは、ダメな日本に本当に元気をくれる。