baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 ジャカルタ郊外の新興住宅街へ

 今日は仕事は休みだったので、旧知の友人に連れられて郊外の新興住宅地を見に行った。目的は彼が最近投資目的で購入した家と、三階建ての長屋店舗の見学である。距離的にはジャカルタから30km程度のものなのだが、今日の高速道路は朝から上下線とも大渋滞である。考えてみれば今日は給料日の直後の週末であるから、家族連れがゾロゾロと家を出て外食をする日であった。それにしても酷い渋滞である。高速道路が高くなったところから見渡せば、前後1kmぐらいの距離が見渡せる限り、車が殆ど動いていない。船のハッチに詰め込んだ車を上から見ている趣である。
 何とか高速を出て目的地に向かって一般道を走り出した。10年前までは、未だ両側には空き地や畑やゴム園があったダートの田舎道だったところが、今や片側3車線、グリーンベルトのある立派な舗装道路になっている。道の両側にはもはや空き地は見当たらず、住宅団地の入り口やレストラン、モールなどが密集している。隔世の感どころか、とても同じ場所だとは思えない。友人の家がある団地への入り口も、昔は何もないところだったから間違え様がなかったのに、今は店舗が林立していて何処が入り口かが全く分からない。一人で行ったら間違いなく行き過ぎている。
 そして彼が最近投資目的で買った住宅を見せられた。大通りから守衛のいる門を潜れば中は広大な地で住宅開発が続けられている。インドネシアの郊外の住宅開発は、何十、何百ヘクタールと言う広大な地に、二階建ての長屋を何百戸、何千戸と建てるのが一般的である。高層団地は未だない。彼の家はその一角の出来たての家で、未だ職人が働いていた。外見は中々洒落た家で、ガレージもある。しかし庭もなければ隣家とは壁一枚で繋がっている長屋である。二階から裏を見れば、手が届きそうな処に裏の家が建っている。僅かに中庭が見えたが、バナナを二本も植えれば一杯になりそうな庭である。30坪の土地に建坪18坪の家が建っているといった感じか。これで700万円ぐらいだから、日本から見れば未だ安いが、当地では相当な高嶺の花である。こんな家が、既に1年で15%程値上がりしていると言う。もっとも売値の比較であるから、彼が今売っても損が出ないというのが目一杯であろう。
 そこから更に渋滞の道を30分ほども走ると彼が買った長屋の店舗に着く。そこも造成中の住宅団地の一角であり、件の店舗はその入り口に近い処に位置している。周辺のモールや店舗長屋には既にマクドナルド、カリフール、スターバックスなどが入居しており、彼の持つ店に続く店舗には洋服屋、ファミリーカラオケ、レストランなどが既に開店していて賑やかそうである。近くの大型スーパーには家族連れが溢れていて、1階のオープンスペースのレストランは満員であった。成る程立地は悪くなさそうである。
 友人の思惑は僕にも一緒に投資をさせようと言う腹のようであった。しかしこの渋滞を見たらとてもではないが投資をする気にはならない。家や土地の値上がりは未だに激しく、投資としては不動産は未だ堅いようであるが、僕は例えお金があっても御免蒙りたいアクセスの不便さである。ジャカルタからの往復は結局正味の移動時間だけで4時間ほど掛かった。インドネシア経済の活況とインフラ整備のアンバランスが如実な一日であった。
 これから夜行便に乗って日本に帰り、GW突入である。この時期の日本は列島大移動で、僕のような老人が一緒になって移動するには相応しくない季節だが、やはり連休は心ときめく。パブロフの犬なのであろう。昨日当地の懸案がやっと片付き、この3ヶ月ぐらいの間に後2〜3回当地に出張すると、後は用がなくなりそうである。早く後の仕事を見つけないと、大好きなインドネシアに来る機会がなくなってしまう。