baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 最近のニュースから

 ここ数日の新聞から、日本では考えられないニュースを一つ二つ。
 カリマンタンボルネオ島)で食用油用のアブラヤシの農園を経営しているマレーシア人3名が、地元住民に一頭1万円ほどでオランウータンの駆除をさせて逮捕され、数日前に懲役4ヶ月、罰金20万円の判決が下されたと言う。一体何頭のオランウータンが犠牲になったのかは、報道では明らかではない。これに対してインドネシア環境保護大臣が、量刑が軽すぎると検察に控訴を要求した。インドネシアでは警察も検察も裁判官も金次第だから、農園を経営するほどの金持ちのマレーシア人なら、量刑など実際かなりの程度左右出来たであろう。残念ながら、インドネシアの法制度は未だその程度である。それでもそういう利益一点張りの農園経営者を逮捕し、起訴して、形だけでも有罪にする程度までにはインドネシアも進歩している訳である。
 マレーシアで不法就労していたインドネシア人の若者三名が、原因は良く分からないのだがマレーシアの警察官に射殺された挙げ句に、体中に手術の痕が残された遺体が帰って来た。手術は眼や内臓に施されており、臓器や角膜などが取られているらしい。インドネシア政府は正式にマレーシア政府に対して、射殺の背景や手術痕の理由、司法解剖の結果を問い合わせたと言う。以前このブログでも書いたが、僕の知り合いの中国人はバンコクで、精神病の若者の肝臓をその家族から買って移植したりしているから、まだまだこの地域は何でもありの世界なのである。マレーシアで金持ちが臓器が欲しくて警官に金を掴ませれば、不法就労の外国人射殺事件があっても驚くには当たらない。
 インドネシア人がマレーシアで不法就労していたのはともかく、インドネシア人の海外出稼ぎは多い。中近東の建設労務者や工場技術者、メードなどが多い。メードは香港やシンガポールにも沢山出稼ぎに出ている。その中で、サウディアラビアで働くメード絡みの事件は賑やかである。サウディでは女性は普通外出しないから、メードも家の中に閉じ込められたままである。そこでDVやレープが頻繁にあるのである。死亡事件も愕く程多い。シンガポールや香港でもインドネシア人メードに対する暴力事件や、たまには死亡事件もあるけれども、サウディが圧倒的に多い。その為最近は政府もサウディ向けの出稼ぎには相当気を遣っている。それでもインドネシア人がサウディに行きたがる理由の一に、給与が良い事の他にサウディで働くと必ずメッカ巡礼が出来ると言う事がある。メッカ巡礼は回教徒にとっては一生に一度は成し遂げたい宗教行事であるが、メードクラスのインドネシア人には普通であれば一生叶わぬ夢だから、危険は承知でやはりサウディで働く事には魅力がある。
 そんな労働力輸出国であったインドネシアが、最近は必ずしも輸出だけではなく輸入も始めたと言う記事を読み、隔世の感である。昨今はフィリピン人の出稼ぎが急増していると言う。昨今はフィリピン人出稼ぎ労働者の仕送りが年間1000万ドルを超えたと言う。絶対額として多いか少ないかは見方次第だが、インドネシアに一般労働者が入ってくるとは、一昔前には思いもよらぬ事であった。