baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 老人の危険運転

 今日は昼間所用があり、小雨の中を敢えてバイクで外出した。カウルの風防効果を確かめるには程良い雨であった。その結果、風防効果は大いに満足の行くもので、下半身は靴の爪先以外は殆ど濡れる事無く帰宅した。
 路面状況は一番危ない半濡れ状態で、うっかり標識のペンキの上でアクセルを吹かしたりブレーキを掛けると横滑りしそうである。マンホールの蓋が、どうしてあれ程沢山必要なのか不思議なほど、そこら中に鎮座しているのが急に気になるのも今日の様な日である。道路の標識のペイントは車輪を取られるとドキッとする程度で転倒する事はないと思うのだが、マンホールの蓋は大きいから不注意に乗れば転倒しても不思議では無い。桑原々々である。
 そんな天気の中なので、今日は安全運転に徹していた山の手通りで、クラウン張りに大きな乗用車が危なっかしげにヨロヨロと前を走っている。初心者マークも涙マークも付いていないので、日頃運転に不慣れなご婦人が不相応に大きな車を運転しているのかと思った。追い抜きざまに中を覗いたら、半袖シャツから剥き出た細腕はシミだらけで、どう見ても80歳代と思われる老人が運転していた。もう運転は止めた方が良い運転ぶりである。信号で並んで止まって、青信号で一緒に走り出して、200m程先にある次の信号を僕が走り抜ける時には既に100m近くの差がついていた。危なっかしくて見ていられない。
 少し行った駅前の赤信号で、車が列を作っていた。特に黄色い車線帯ではなかったので先頭に出ようと車の間を擦り抜けた。ところが1台、車線帯を跨いで止まっている車がいて、そこで擦り抜けが遮られてしまった。これも比較的大きなハイブリッドの乗用車である。未だ先頭まで大分距離があるのに仕方が無い、車列の真っ只中で信号を待った。信号が青に変わって、やっと車列が動き出した。追い越しざまに中を覗いたら、こちらは夫婦と覚しき二人連れだがハンドルを握っているのは僕よりは少し年寄りに見える男の方である。全く周囲には気が回らないらしく、ハンドルにしがみついて前を凝視している。走行車線に戻る風もない。何とも危なっかしいので、一刻も早く遠ざかる事にした。うっかり前を走ったら何時追突されるか分かった物では無い。
 今日はどういう訳か往復で僅か一時間強の間に更に一、二台、危なっかしい車に出会ったが、何れも今日に限れば男の老人の運転であった。流石に逆走している訳ではなかったが、見るからに危険運転である。運動能力や運転能力は単に年齢だけではなく個人差も大きい。従い何歳になったら、という目安は付け難い。況してや法律や免許更新時の適性検査で篩に掛けるのは、現実には中々難しかろう。バイクならいざ知らず、車は今はフールセイフで誰にでも動かせてしまう。都会と地方でも、判断基準は異なるであろう。しかし唯一明らかな事は、ああいう危険な老人には一刻も早く運転を思い止まらせないと本当に危ないという事である。ハンドル操作を誤ったりアクセルとブレーキを踏み間違えたり、道を間違えて逆走したりの大事故を起こす前に、先ずは本人が自覚し、もし本人が自覚しないのなら周囲が断固諫めて、きっぱりと車から下りるべきである。犠牲者が出てからでは取り返しが付かない。
 次は我が身と思いつつ、老人の危険運転が頓に増えているこの頃である。