baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 絶対に避けるべき計画停電

 原発再稼働に反対する人は、賛成する人を大幅に上回っているというアンケート結果が昨日テレビで報道されていた。およそ半数近くの人が反対しているのに対し、賛成している人は三分の一程度という結果であった。個人レベルでは反対の方が多いのは、実際そんなものだろうと思う。
 一方で、昨年の関電管内の節電実績が発表された。15%の節電要請に対し、家庭での実績は僅かに3%であったそうである。同じ調査での比較では無いから少し乱暴かも知れないが、傾向としては明らかに原発再稼働は反対だが自分の家が不便になるのは困る、と言う人の数が非常に多いと言う事であろう。
 原発再稼働に反対するのは結構である。人それぞれの考えがある。しかし原発が動かないと目先の電力不足は免れ得ないのだから、原発再開に反対するからには、せめて節電には協力して欲しいものである。僕は昨年は原発に関わる個人的な意見とは無関係に、随分無理をして節電に協力した。個人の節電は高が知れているが、しかし個人なら色々我慢をすれば随分節電出来ると思う。冷房は一切使わず、冷蔵庫の開け閉ては二度、三度を一度にすれば良い。僕は昨年はそれを実行した。熱くて閉口したのも一度や二度では無いが、ほぼ一夏やり通した。
 被災地の瓦礫の受け容れでもそうなのだが、少しでもリスクがあると思える事には断固反対だが、かと言って自分はその結果に責任は持たない、自分だけは安穏な生活を送りたいと言う人が想像以上にこの国には蔓延しているらしい。その結果、節電要請だけでは関電はこの夏の電力不足に対処し切れぬ事態も想定され、計画停電をも検討せざるを得ないようである。
 しかし個人レベルならいざ知らず、計画停電となると企業によっては死活問題となる。計画停電で細切れに配電されても工場が全く動かせない業種が色々ある。昨年の本ブログにも紹介したが、一旦機械を動かし始めたら最低でも8時間とか10時間継続して動かさなければならない業種が沢山ある。同様に、途中で止めると仕掛り品が全て売り物にならなくなるので、停電までに完成しない製品は未だ電気が来ている時でも仕掛かれない業種も色々ある。要するに計画停電と言うのは机上の計算であって、企業の側にしてみれば結局昼間は一切機械を動かせず夜間だけ操業するしかないとか、或いは電気が来ている間でも操業率が半分以下になってしまう、と言った悲惨な処が沢山出てくる。操業に合わせた従業員のやりくりも理屈通りには行かないし、夜間操業なら人件費は高騰してしまう。
 そんな損害が確実に見込まれる計画停電は、絶対に回避されるべきである。こうして見ると、企業と個人とではそもそもダメージの次元が異なるので、同列に論じる事自体に無理がある。声の数、大きさで言えば個人が圧倒的に多いであろうが、それだけに原発再稼働をどうするかという決定プロセスには住民投票などと言う、一見公平なようで乱暴極まりない方法は絶対に採るべきではない。いくら声は大きくても、そこには節電にすら協力しない無責任で利己主義な声が沢山混じっている事からも明らかである。