baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 ソフトバンク

 僕の携帯はソフトバンクである。10年前に浦島太郎の如く海外から戻ってきて、誰もが携帯を持っているので慌てて買ったものである。当時はドコモとKDDIVodafoneであった。どれが良いか職場の周りの者に訊いてもはっきりしないので、職場の近くに店があったVodafoneを買った。後から気付いたのだが、Vodafoneは電波の範囲が狭く、ゴルフ場の様な人里離れた場所とかビルの中ではまるで繋がらない事が分かったが、東京にいる限りはそれ程大きな痛痒は感じなかった。それから数年後にソフトバンクが日本のVodafoneを買収して携帯事業に参入して来たので、僕の携帯もそれ以降はソフトバンクになった。だから僕の携帯のメルアドのドメインは未だにVodafoneのままである。
 Vodafoneの電波の範囲が狭い事はソフトバンクも当然の事ながら承知で買収した。しかしその後も一向に目立った改善がないまま、今日に到っている。僕の携帯は山の中やゴルフ場では、他人が携帯を使っているのを横目に相変わらず電波が届かない。昨年、大震災の直後に気仙沼に人捜しに行った帰りに、雪の山の中でガス欠になった時も、同行の友人のドコモの携帯が辛うじて繋がったから助かったが、僕の携帯だけだったら凍死していたかも知れない、と言うのは少し大袈裟でも、間違いなく酷い目に遭っていた。
 Vodafoneの買収後も基地局の増設には大した投資をせぬまま、投資額ではドコモの半分以下、KDDIの三分の二程度でお茶を濁しながら、アップルのiPhoneを独占販売することで大儲けをした。その結果僅か数年でソフトバンクの有利子負債は2兆5000億円から5000億円に減ったそうである。そのソフトバンクも悲願であった比較的繋がりやすい周波数帯の割り当てを受けて、これからは電波の届く範囲が広がるとご満悦らしいが、従来通りの投資ペースでは他社との格差は縮まらないと言う見方もある。
 一方でソフトバンク太陽光発電にこれから集中投資をすると言う。菅直人を操って太陽光発電の電気は他の再生可能エネルギーよりも桁違いに高い値段が付いている。従来エネルギーとは無縁であったソフトバンクが、何故突然という印象は誰でも持つであろう。
 ソフトバンクは私企業であるから、法律を犯さない限りは何をしても構わない。朝鮮半島の血を引く孫正義菅直人との関係は些か怪しいが、それも表沙汰にならなければ所詮は下司の勘ぐりに過ぎず、それまでの事である。ただ、その儲け方は実に巧みと言うか強かと言うか、企業倫理から言えば少々脱線していると僕は思う。だからソフトバンクの携帯を使っているのは苦々しいのだが、今更他社に乗り換えるのも面倒で結局そのままである。日本の企業も最近は利益至上主義になりつつあるけれど、株価が投資家に厳しくチェックされる昨今では已むを得ない面もあるものの、やはり本来日本企業が共有していた企業倫理は継承して欲しいものである。ドコモとKDDI基地局整備に投じた投資額とソフトバンクのそれを比較すれば、その差は歴然としている。