baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 男子フルーレ団体戦準決勝

 今週は国会が色々動きそうである。またまた消費増税社会保障一体改革関連法案採決を先延ばししたい輿石東参院採決を20日と言い出したのに反発した自民が問責決議案の提出をチラ付かせ、一方の公明は創価学会の異論を押し切って三党合意を図った手前法案成立前の問責決議案提出には反対している。その三党の合意が怪しくなってきた足下に付け込んで他の野党7党が内閣不信任案を提出する事で合意した。結局は今週中に消費増税社会保障改革法案が参院を通過する事になりそうだが、その後がどうなるのか、何れにしても今週は大きな動きがあるであろう。
 民主党は将来また政権を担う所存があるのなら、今は一旦政権から下りて政策を通して党内を纏める事が絶対に必要であるし、日本に取ってはこの3年間空回りしている国政を立て直す為に早期政権交代が望ましいから、解散、総選挙が早まるのは結構な事である。ただ今の駆け引きはもっと卑近な、現職議員が総選挙で当選できるかどうかが動機であるから情けない。政治家たるもの正々堂々と胸を張って国民の審判を受ければ良いのに、選挙の時期がどうのと志操が低い事この上ない。もっともそんな政治家を国会に送り込む有権者にも、今の政治不在の責任の一半はある訳だが。
 そんな見苦しい国会はさておいて、オリンピックは佳境に入ってきた。男子卓球団体は準々決勝で香港と5試合目にまでもつれ込んでいたが、その後どうなったものか。僕が見た時は5試合目のセットカウントが1-2で負けていて、第4セットも日本が劣勢だったから残念ながら準々決勝敗退かも知れない。女子バレーボールはストレートで英国を破り決勝トーナメントへの進出を決めている。シンクロ・デュエットでは井村雅代をコーチに迎えた中国が大躍進している反面、日本は5位でルーティンを終えた。日本ではワンマン井村が納まり切らなかったそうだから仕方がないが、中国では明らかに井村効果が出ている。中国選手は切れの良い、素晴らしい演技を披露していた。女子マラソンは、何やら狭い道路をグルグル走らされて、中には体が当たって負傷した選手もいたようで、コース設定が余り良いとは言えなかった。日本人選手が後で霞んでしまったので途中で見るのを止めた。
 そんな中で今日の圧巻は男子フルーレ団体戦の準決勝である。フェンシングは北京で太田雄貴が銀メダルを取るまでは日本は出ると負けで、殆ど僕達の関心は惹かなかった。ところが太田効果で、今や日本でも大分知名度が上がってきている。その太田も残念ながら個人戦では今回は三回戦で敗退してしまったが、今日は団体の準々決勝があり、日本は世界選手権王者の中国と当たった。その試合は最後の方しか見なかったが、大差で日本が勝利し、テレビでは間を置かずにそのまま準決勝でドイツと対戦した。
 この試合が壮絶な戦いとなり、手に汗してしまった。なにしろ終了17秒前で2ポイントの差を付けられて太田が劣勢に追い込まれ、7秒前で1ポイント取り返したが2秒前までそのまま1ポイント負けていた。よもやこれまでと、誰もが思った事であろう。ところがその2秒で太田が更に1ポイント奪取した。自分はメダルを取る為に生まれてきたと豪語する太田の執念である。そこで1分間の延長戦に入った。サドン・デスの、文字通りの決闘が始まった。動きが速すぎてテレビカメラも追い付かない程だから、僕の様な素人が見ていても何が何だか良く分からないのだが、面に付いているランプが点いたり消えたりするのでそれを見てどちらがポイントを取ったのかが辛うじて分かる仕組みである。延長戦はビデオ判定の連続で、見ていても余り面白くなかったが、サドン・デスなので審判の協議中もハラハラドキドキである。そして最後は日本がドイツを制して決勝進出を勝ち取った。銀メダル確定である。それにしても延長前の、終了間際17秒間の太田の神憑りの様な同点劇は、将来の語り草となる異様な迫力であった。
 競泳では男女とも400mメドレーリレーでメダルを取ったし、どちらかと言えば日本人はチームワークが物を言う団体戦が向いているのかも知れないと思ったりしている。