baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 理解不能な最近の犯罪〜小児拉致やら幼児虐待

 最近の特異な犯罪に、どうにも従いて行けなくなって来ている。動機が全く理解出来ないのである。金欲しさの殺人や誘拐、或いは嫉妬や恨みの果ての殺人などは僕にも分かり易い。ところが最近の変質的な犯罪が僕の理解の埒外なのである。僕が完全に老化してしまったのか、或いは世間がおかしくなっているものか。勿論標記の犯罪は変質的であるから、健常な者には理解できない面があるのは重々承知ながらも、それでもやはり解せないのである。
 先ずは幼児虐待である。中々口だけでは分からない幼児を叩く事は誰にでも経験のある事であろう。しかし、叩くと言ってもお尻や手のようなダメージのない部位をはたく程度で、本気で殴る親はいない。むしろいたいけな幼児を叩く時は、親も心中泣きながら、躾だと思い心を鬼にするのが普通だと思う。それなのに、幾らパートナーの連れ子であろうとも、増してや自分の子供なら尚の事、煙草の火を押し付けたり本気でぐったりするまで殴ったり、食事を与えない、水に漬ける、果てはごみ袋を被せて目張りまでするに及んでは、到底正気の人間業とは思えない。
 自然界の野生動物は滅多に育児放棄はしないが、動物園で人間に育てられた動物には育児放棄は珍しくないらしい。親から育児方を教えて貰えずに人間の手による人口保育で育っているから、嬰児を見てもどうして良いのか分からないからである。そういう意味で動物園の動物は気の毒だと思う。ところが、最近は人間にも同様な人種が生まれ育っているのであろうか。親からちゃんと育てられていないから育て方が分からずに、分別ある大人なら絶対にやらない事を後先の考えもなしにやってしまうのであろうか。無抵抗な幼児を虐待して、心は痛まないのであろうか。
 更に理解不能なのが、小児の拉致、監禁である。子供のいない女が可愛さ余って嬰児や幼児を攫うのは少し趣が異なるが、若い男が女児を拉致監禁したり、ホテルに連れ込んで乱暴しようとしたりする心理はもう想像を絶する。しかも相手はただの小学生である。幾ら変質者とは言え、一体どういう心理なのであろうか。昨今若い男が草食動物と言われているのは知っている。しかし年がら年中目をギラギラさせて涎を垂らしながら女の尻ばかり見ている男ばかりよりは、世の中にはそういう男もいても良いと思っていた。
 ところが最近の事件を見ていると、どうもそういう単純な話ではなさそうである。自分の意志で草食動物になっているのではなく、不本意ながら草食動物にならざるを得ない自信喪失している若者が、自己抑制出来ずに変質的な犯罪に走っているように思えて来た。もしそうであるならば、由々しき事態である。男たるもの如何にあるべきかと言う本質的な事を全く教えられていない事になる。だとするならば、もう既に変質者になってしまった者には手遅れだが、まだ成長途上の若者には改めて人間としての根本的な原理原則を教えなければならないのかも知れない。以前なら、人間の生き様は家庭で親から学び、学校では知識を習得すると言う分業が成立していたと思う。しかし今は戦後の日教組による学校教育の壊滅のみならず、家庭での教育が想像以上に崩壊しているのかも知れない。
 昨今の異常な犯罪を見るに及び、単に社会が病んでいるとか教育が崩壊しているなどと通り一遍の感想で済ませてはならないと思う。親が悪い、教師が悪い、学校が悪い、教育制度が悪い、カリキュラムが悪い、と悪者捜しをするのは簡単だが、それでは何等この社会問題の解決にはならない。子育てを卒業した年代も含め、日本の国民が一丸となって自分の問題として日々取り組まないと益々心の捻じ曲がった若者が増えてしまうのであろう。
 僕達一人一人に何が出来るのかは、環境により異なるかも知れない。しかし、ただテレビで、新聞で、異常なニュースを読み聞きして唖然としているだけで済ませてはならない程、病巣は広がっているように思える。そしてこの病の大元には、単に草食動物化している男だけに問題があるのではなく、全く違った次元で男の自信を喪失させてしまう女にも問題があるのかも知れない。貝原益軒の「女大学」は幾ら何でも時代錯誤だとしても、女にももう少し女らしさが求められるのではなかろうかとうっかり口を滑らせれば、瞬く間にそこら中からきつい叱責が飛んで来そうな昨今ではある。