民主の代表選、自民の総裁選

　民主党の代表選挙までもう残すところ2週間、この代表選で代表になれば次の総理大臣となる。次の総理は短命だろうから、個人的には野田佳彦が続投して早く解散、総選挙に雪崩れ込むのが望ましいと思うし、恐らくは反野田派が早々と離党している事もあり、野田が順当に代表になるのであろう。山田正彦が対抗馬として立候補の意思を表明しているが、未だ推薦人20人が揃わないらしい。それに、何れにしても山田では野田には勝てまい。個人的には山田の如き、目が国内にしか向いていないマルドメ人間に総理などに就かれたら、鳩山由紀夫と五十歩百歩のとんでもない事になると危惧するので、いくら短期とは言えこの人の総理はご免蒙りたい。それに農水族議員も大事ではあろうが、山田正彦の如き従来の農水族のセンスでは大きな目で見れば決して日本の農水産業の為にならない。
　ダークホースとして急に周囲の期待が膨らんでいるのが細野豪志である。確かに、若いし見掛けも良いし原発担当と言う、今一番微妙で難しい仕事を淡々とこなしている姿は、民主党の揃って出来の悪い閣僚達の中では増しに見える。担当ではなかったから消費増税の影は薄い。しかし、次期民主党のホープとしてこのチャンスに名前と顔を売るのは一つの手かもしれないが、代表選での勝ち目は薄いと思うし、何よりも次期代表は次の総選挙の大惨敗の責任を背負わされる訳だから、細野が見掛け通りのスマートな人間であれば恐らく今のタイミングでの立候補は自重すると思われる。結局野田佳彦と山田正彦の一騎打ちか、場合によっては野田の無投票当選と言う事もあるかも知れない。
　民主党から遅れる事5日後に総裁選が行われる、一方の自民党は大混戦の様相を呈している。谷垣禎一、石原伸晃、町村信孝、石破茂、安倍晋三、林芳正などの声が上がっているが、個人的には若手になって欲しいと思っている。そもそも谷垣禎一の如き変節漢は御免蒙りたい。
　また安倍晋三は唐突に総理を放り出した前科に加え、大阪維新の会と近いのが気に入らない。大阪維新の会は第三極としては良いかも知れないが、所詮は橋下徹の一枚看板である。選挙で、国会で、票が欲しいのは分かるが、未だ国政を担う政党としては未知数であり、リスクが大き過ぎる。実際、総選挙の候補として取り沙汰されている人物は元杉並区長だとか横浜市長だとかの、小さな地方自治体の首長経験者などではないか。こういう人達は大阪都構想や地方分権の支持者としては良いかも知れないが、外交、安全保障、財政、経済政策、等々の国政はとても任せられるものではない。そんなところといきなり連立を組むのは止めた方が良い。
　石原伸晃は父親が偉大過ぎるのか、未だ発言に切れがなく、貫録もない。長老に受けが良いようだから世渡りは上手いのだろうが、どうも未だ総理の器には見えない。となると個人的には石破茂が残る訳だが、この人が総裁になるかどうかは、安倍晋三との調整に加え、自民党の旧い体質が何処まで近代化しているかが大きな鍵を握っていると思う。総選挙後の総理大臣になるであろう人選だから、マルドメではなく広い視野を持っていて、しっかりした政策を持っている多少なりとも頼り甲斐のある人になって欲しいのだが、長老の思惑なども絡んでいて未だどうにも見通せない。自民党が魅力的な党に脱皮するには、未だ暫く時間が必要なようである。