baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 インドネシア祭 2012

 昨日から二日間、六本木のミッドタウンで、駐日インドネシア大使館肝いりのインドネシア・フェスティバルをやっていた。以前は代々木公園でやっていたが、いつの間にか六本木に鞍替えしていたようである。未だ残暑厳しい炎天下、随分の人出であった。やはりインドネシア人が圧倒的に多いが、通りがかりに寄ってみたのか知っていてわざわざ来たのか、日本人も随分混じっていた。
 僕もミッドタウンは初めてなのだが、都会の真ん中に広々と芝生が広がっていて、こちらでは三々五々ピクニックの風情であった。


 メイン会場にはステージが設えられ、模擬店が沢山出ている。この模擬店は先般の回教正月の時のインドネシア人学校の模擬店より本格的で、都内のレストランが出店しているものであった。模擬店にはどこも長蛇の列が出来ている。しかも、見ていてもちっとも進まない。でも、誰も急いでいないから、お喋りしながら気長に待っているのだ。せっかちな日本人には中々真似の出来ない芸当である。僕の好物のインドネシア製「ビンタン・ビール」、それも瓶詰が沢山並んでいた。バイクでなければと悔やまれたが、かと言って電車で行くには暑すぎるのだから仕方がない。冷えたビールを横目に、周辺から漏れ聞こえてくるインドネシア語を耳にしながら、場内を一人散策した。





 ステージではスマトラの踊りが踊られていた。踊り子は日本での仕事の研修や留学に来ている素人とのことで、僕の目にも上手とは言えないがそれなりに雰囲気を醸し出していた。全て竹で作られたインドネシアの民族楽器の楽団の演奏もあった。演ずるのは皆日本人の夫人である。ご主人の駐在に付いてジャカルタに滞在していた時に病みつきになったという人達の集まりだと言う。中には音大出の人も混じっているそうである。写真では分かり難いが、これも竹で作られたマリンバのような楽器の後ろに、竹がぶら下がっている楽器が3台並んでいる。これはアンクロンと呼ばれ、叩くのではなくぶら下がっている竹を手で振って音を出す楽器である。ぶら下っている竹の長さで音程が変わるようになっている。その楽器の端から端までが長いから、演奏者は右へ左へと走り回って、中々の重労働と見受けられる。舞台中央の後ろにある、ご存知のカホンだけはインドネシアの民族楽器ではない。ステージの前では皆芝に腰を下ろして、歓声を上げたり拍手をしたりしている。ワヤンという影絵芝居を夜通し見物する国民だから、ここでも何とものんびりしているのである。



 揃いのブルーのTシャツを着た軍団がいたのだが、背中に書いてある文字の意味が分からない。右の袖には日の丸が縫い付けてあるのに、メンバーは皆インドネシア人である。何のグループなのかインドネシア語で訊いたら、先方からは「サカ」「サカ」との返事。要領を得ないので更に問い質したら、なんとサムライ・ジャパンのサポーターであった。インドネシアではバドミントンとサッカーが国民的スポーツだが、サムライ・ジャパンにインドネシア人のサポーターまで出来たらしい。

 みんな楽しそうに休日を過ごしているようであった。ただ一人でブラブラするには些か暑すぎて、僕は早々に引き上げざるを得なかった。