baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 やっと衆院解散

 待望の衆院解散がやっと今日決まった。菅直人よりは野田佳彦の方が一見実直そうだが、結局は解散を約してから3か月も引っ張ったのだから実は五十歩百歩であった事になる。しかし今回は一年前と異なり離党者が後を絶たず、遂に民主党衆院でも過半数を割ってしまった。難破船からネズミが逃げるわ、逃げるわ。政策を通して一致団結した党ではないから、誰も彼も総選挙で何処から立ったら再選出来そうか、どう振る舞ったら有権者に言い逃れができそうか、皆そんな事ばかり考えているのであろう。しかしそんな風潮を知りながら、しかも輿石東山田正彦などお膝元の幹部の造反に遭いながらも、最後まで自分の政治に筋を通した野田佳彦には、僕は少なくとも菅直人よりは良い点を付けている。もっとも、他に方法がなかったので自分から先手を打っただけだとも言えるのであろうが。何れにしても民主党の人材では未だ政権は担えない。大臣の器が殆どいない政党は、どう足掻いても与党たり得ない。だから日本の為に、この政権は一刻も早く潰れるべきであった。
 今度の総選挙には民・自・公の他に11党が立つらしい。ここまで党が増えると、有権者には何処が如何なのだか分からなくなってしまう。14の党それぞれが選挙公約やマニフェストを公表しても、とても全部に目が通せるとも思えない。社民や共産の様な如何でも良い処は別としても、誰かが残りの12党の政策を重点項目ごとに整理して、表にでも纏めてくれないものかと思うが、一方で他人が纏めた物では余程信頼出来る人の仕事でないと信用できない。今回は一体どんな選挙になるのであろうか。
 昔バングラデシュに駐在していた頃には、議員の数だけ政党があると言われていた。彼の地の人は誰も雄弁で一言居士である。だから最初は数人で固まって政党を作っても、結局は仲間割れをしてしまう事を現地の人が揶揄したものである。未だ民主主義が根付いておらず、民衆の大多数が飢えに苦しんでいた時に、政治家を輩出する特権階級が庶民の苦労も知らずに滔々と弁舌を振るうのを皮肉った言葉でもあった。インドネシアでも政党の数は相当多いが、それでも恐らく一桁ではないかと思う。インドネシアの場合は、端的に言えば政策云々以前に利権絡みで政党が出来ると言える。ある意味で日本よりは分かり易い。
 翻って日本の現状は、露骨に利権を表立てて政党を作る事はないし、雄弁が故に離党している訳では決してない。残念ながら、長期に亘る将来の国益という視点で考えが合わないから分裂している訳では更にない。取り敢えず目先は消費増税は消費者や中小企業の反発を買うから反対、TPPは農水産業に従事する人の票が離れるから反対、原発は反対しておけば票が集まるからとにかく反対、で、ならば財政は、貿易立国や空洞化は、電気代は、如何するかといった現実的な問題に対策を持っているわけではない。そもそも、そんな先の事を考えているとすら思えない。どうしたら票が集まるか、如何したらまた議員バッジを付けられるか、しか頭にないレベルの人ばかりの様に見受けられる。他人には二番目でも良いではないかと言う議員も、自分の選挙では一番になろうと必死になる。
 それにしても、これだけ小党が乱立するとまた選挙結果が思いもよらぬ事になるのかも知れない。前回の民主党の地滑り勝利の二の舞だけは避けて欲しいのだが、こう政党の数が増えるとまた予想外な事が起こるのではないかと不安が頭を擡げ始める。