baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 休日のジャカルタ(4)

 月末に出た給料で未だ懐が温かいのと、クリスマスが近づいて浮かれた気分なのであろう、週末のジャカルタの交通渋滞は休日にも拘わらず大変なものであった。昨日は手持無沙汰なので、午後また一昨日と同じモールへ、今度はケーキを食べに行ったのだが、往きは10分程で着いたものの還りは小一時間も掛かってしまった。当地に住みついている友人から、モールの地下に喫茶店があり、その喫茶店の向かいにあるケーキ屋のケーキが美味しいと聞いたので無性に食べたくなったのである。ケーキ屋で買ったケーキを喫茶店に持ち込んでも、何も言われずにお皿とナイフとケーキを出してくれた。何か話が付いているのであろう。成る程ケーキは甘味が抑え気味で、日本人の口にはとても美味しかった。写真を撮ったら、SDカードが入っていなかった。一昨日の夜にPCに取り込んで、戻し忘れていたのであった。まったくやる事為す事間が抜けている。夜になっても渋滞は一向に収まらず、夕食はて手近で済ませた。
 日曜日になると流石に道が少し空いたので、今日はジャカルタの北の方へ夕食を摂りに出た。元々オランダ時代にバタヴィアと呼ばれていた地域の外れ位の場所である。ジャカルタの北の方は中国人街が多く、今日出掛けた処も周囲に中華料理屋が沢山ある。その一角にあるインドネシア海鮮料理屋へ行った。先週の日曜日に大失策をしたので、今日はその挽回に、昔から知っている店を目指したのである。
 車が空くのを待っていたので、今日も夕食には随分遅い時間になってしまったのだが、店は満員で一階には入れずに二階に上げられた。そして記憶を頼りに注文をして暫く待っていると、イメージ通りの料理が続々と並べられた。今日はちゃんとSDカードを入れたカメラを持っていたのだが、嬉しくなって写真を撮るのをすっかり忘れて料理にかぶりついてしまった。しばらくしてはたと気付いたのだが、もう残飯みたいな写真しか撮れなくなっていた。連日の間の抜け様が情けない。
 今日の料理は、グラメという淡水魚の唐揚げ、地鶏の唐揚げ、豆腐の皮−要するに油揚げ−にエビや野菜を詰めた揚げ物、米ナス焼き、魚の干物入りもやし炒めをである。海老とか蛤とか、他にも美味しい料理があるのだがとても全部は注文出来ない。魚は大きくて肉厚で、上手に形を整えて唐揚げにしている。ちょっと鮎の姿焼を思わせる形である。パリパリに上がっているので、骨ごと食べられる。どの料理も記憶通りの旨さで、久しぶりに舌鼓を打った。渋滞がなければもっと頻繁に来られるのにと、恨めしい。お勘定の段になったら、一週間前より遥かに量も多く味も良いのに値段は6割ほどであった。写真が無いのが情けないが、帰りがけに店内の写真を撮った。帰る時でも未だこんなに混んでいた。やはり先週の店はあまり流行っていなかったのである。

 何だか今日は大儲けをした気分で、チップを弾んで意気揚々と店を後にしたのであった。ホテルに戻ってきたら、ロビーに大きなクリスマス・ツリーが置かれ、階段やテーブルには大きなポインセチアの鉢が並んでいた。