baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 地方公務員の駆け込み退職

 埼玉県で、教員が100人程も今月末で早期退職すると申し出ているそうである。そんなニュースに接していたら、他県でも教員や警察官など、地方公務員の早期退職希望が続々と出ているようである。その理由は、国家公務員の退職手当を減額するのに伴い、国が各地方自治体にも同様に地方公務員に対する退職手当を減額をするよう勧告し、これらの地方自治体は来月から退職手当を減額する事にした由。問題は減額を来月から実施するとしたものだから、本来なら3月に退職を迎える人たちが減額前の退職金を貰うべく、駆け込みで今月末に退職したいと希望しているものである。埼玉県の場合だと、普通に勤め上げた人で140万円ほどの差がでると言う。給与生活者にとっては大金である。
 これに対して埼玉県知事は「無責任との誹りを受けても已むを得ない」と不快感を露わにしたと言うのだが、僕に言わせればこんな中途半端な時期の規定改定をする方が余程間が抜けている。自分の間抜けを棚に上げて、良くも不快感などを露わにできるものと呆れてしまう。僕は地方公務員の事は殆ど知らないが、やはり年度が4月から3月であれば当然退職も3月末と9月末、と言うのが普通だと思う。そのけじめを無視して2月から減額実施などと決めれば、僅か2ヶ月で140万円も違うのなら早く辞めて当然である。こういうのを典型的なお役所仕事と言う。やるべき事はやるけれど、その影響や結果には一向に頓着しない。言われた事を言われた通りにしました、と子供のような対応である。
 今回の件では、そのお役所仕事の煽りを顕著に食らうのは学校の児童、生徒である。しかも教師の抜けた穴を臨時教員で急遽埋めなければならない手間暇とコストを考えれば、どうして実施を4月からにしなかったのであろうかと訝しい。行政の誰もそんなところまで頭が回らなかったものか、或いは国からの勧告が2月実施だったので、それをそのまま実施したものか。何れにしても早期退職を希望する教師や警官が責められるのは筋違いで、こんな中途半端な時期に制度改革を実施する行政の手落ちである事は明白である。特に教師は、普通なら教え子の進級や卒業まで我が目で見守りたいに相違ない。残り僅か2か月で教師が急に変わってしまう生徒・児童の戸惑いや、中途半端で後ろ髪を引かれる思いの教師の事を考えれば、出来る事なら早期退職をした教師には従来の規定で退職金を払い、その上で臨時教員として3月まで雇えば、教師にも生徒にも好都合なのではないかと思う。何れにしても、愚かな事をしたものである。