baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 インドネシア雑話

 ジャカルタの大洪水は1月以来起きていないが、今日は郊外へ出たところ工業団地の中を走る道路が200m程50cm位冠水していた。水を被ってエンコしているオートバイが何台かあり、運転手は気の毒に膝まで水に浸かって押している。側溝も見えなくなっているから、車は道路の真ん中をソロソロと徐行するので大渋滞になってしまう。車が起こす波が引き波となり、塀に当たって跳ね返ってきて結構大きな波になるので少々肝を冷やした。革靴を手に持ってスーツを着たまま膝までズボンをたくし上げて、汚い水の中を歩く気には到底なれない。幸いヴァンに乗っていたので事なきを得たが、乗用車であったら危なかった。川は何れも満水で、ちょっと大雨が降ると雨水の行き場がない危険な状態が続いている。
 インドネシアでは一時現代や起亜といった韓国車が大量に流入した事がある。ところが最近は滅多に韓国車を見なくなった。高級車は旧態依然でメルセデスと相場が決まっていて、時にジャガーベントレー、或いはポルシェなども見かけるがこれらは例外中の例外で、大部分の車は日本製に戻っている。聞くところによれば日本車のシェアーは95%だそうである。日本のメーカーは市場に合った廉価な車を作るのが、高シェアーの最大の理由である。更には、根っからの日本贔屓の国民性に加え、韓国車が頻繁に故障するのに反し日本車は10年乗っても故障らしい故障を起こさないと言う神話も理由の一つである。実際には韓国車が大量に流入した時期から既に20年ぐらい経っているので、その間に韓国車も随分改善されている筈だが、出だしの不調が未だに尾を引いている。
 その20年前には個人向けの車のリース、実はリースという名の割賦返済融資ビジネスなのだが、は1000件に2件ぐらいしか事故が起きず、その2件も問題なく車を押さえられたので安全で儲かる商売であった。因みに当時の車の販売台数は35万台前後と言ったところである。ところが最近は年間に100万台も売れるようになり、このリース事業も競争が激しくなって業者から見れば利ざやが薄くなり、事故率は大分上がったと聞く。中には回教正月の際に田舎に帰るのにリースで車を買って、田舎では大いに見栄を張って錦を飾った挙げ句にジャカルタに戻るや支払いを止めてしまう不届き者まで出て来ていると言う。家族揃って汽車で故郷に帰るのと車の頭金は大して違わないので、故郷でいい格好が出来る分車で帰る方が良いという計算だそうである。そんな事があって、最近は頭金を最低27%だか払わないといけないと言う法律が出来、車の販売増が少し鈍化したそうである。
 仕事は相変わらず不調で、当初は週末に帰国する予定であったが、結局来週明けまで当地に留まる事になってしまった。横浜で10日まで開催されている今年のボートショーは既に切符も手配してあったのだが、無駄になってしまった。