baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 インドネシア雑話(4)

 明日が当地の祝日な事もあり今日の夜行便で帰国する事にして、今はジャカルタ空港のラウンジにいる。明日の休日はヒンドゥー教のニピと言う特別な日である。人口の85%がイスラム教と言う、人口では世界最大のイスラム教徒を抱えるインドネシアであるが、キリスト教ヒンドゥー教の特別な日も休日になる、本来のイスラムの精神を継承している。インドネシアでは東ジャワの一部と、バリ島がヒンドゥー教の地域である。明日は終日外出は禁止され、全ての住民は自宅で静かに過ごすと言う。明日はバリ島の飛行場も一日閉鎖される。街の商店やレストランは勿論全て閉店である。
 休日の前日のジャカルタの高速道路は相も変わらず気違いじみた混雑である。休日を郊外のヴィラで過ごそうという車が夕方からどっと高速に乗りいれて来るからである。そこで大分早目にホテルを引き払い、空港に出向いたので少し早く着き過ぎてしまった。しかしジャカルタ空港にはリフレクソロジーの店があるので、ラウンジへ入る前に幾らでも時間が潰せる。今日もパスポート・コントロールを終えて直ぐにリフレクソロジーに入った。
 日本人の、ビジネスマンと思しき団体がいた。彼らは僕とは飛行機が別だったので大分早く出て行ったが、出る時に中の一人が金が足りないかもしれないと大騒ぎをしている。1時間1000円程の料金の支払いに、財布中を掻き回して小銭を集め、やっと払っていた。しかし、当地はチップの国である。最近街中のレストラン、特に日本食レストランではサービス料を取る店が増えて来たのだが、マッサージなどはやはりチップをやらないと具合が悪い。高々月に2万円か3万円程度の稼ぎしかない従業員には、1時間200円ぐらいのチップは大きな収入である。そのチップを払わずに、何とか払えたと大声で叫びながら出て行った。チップを貰い損ねた従業員は何とも寂しそうな顔に見えた。日本人は金持ちで通っているのだから、こんなところでケチはしないで欲しいものである。他の仲間はチップを払っていたから、知らない訳ではないのである。
 今回の滞在中に気付いたのだが、以前は白物家電や薄型テレビは日本ブランドの独壇場であったが、今は韓国製の独壇場の様である。ちょっと前までは韓国製は敬遠されていたのだが、今は値段が安ければ何の躊躇もなく韓国製を買うようである。全くの様変わりと言える。それに伴い、従来は粗野で評判の悪かった韓国人の評判も大いに上がっている。この分では先日書いた自動車のシェアーも遠からず韓国に食われ始めるのであろう。日本もやっと少し経済が上向くような兆しが現れ、国も明るさを増してきたこの時期に、改めて物作りの原点に立ち返って工夫を凝らさないと今のままではじり貧になりそうな予感がする。
 ファイナルコールなので、ここまで。