春嵐

　今日の東京の風は半端ではなかった。強風の為に、近郊の電車が随分運休してしまったようである。僕は花粉症が怖い事もあり、予定を変更して今日は終日家に閉じこもっていた。地面から埃が舞い上がって、窓際に土が積もっている。黄砂も混じっている事であろう。隣家の桜が、芽吹き始めた小枝を折れんばかりに撓らせている。
　終日仕事をしていたので、溜まった仕事は随分捗った。気合が入り過ぎて、何年振りかで夜の10時まで残業してしまった。その代わり机の上はサッパリとなった。久しぶりに気分が良い。
　春闘では自動車産業を筆頭に、満額回答が相次いでいると言う。この頃は賃金カットやリストラなどが常態化してしまい、賃金アップの話など聞いたこともない。たまには給料も上がらなければ、サラリーマンもやっていられない。大いに結構な話である。しかし昨日までの出張精算をしていたら、円高是正は随分大幅で、出張費が馬鹿にならない金額になっていた。南米向けに米ドル建ての見積もりを作ったら、こちらは労せずして随分のディスカウントである。功罪相混ぜて、円高是正を実感したところである。