大学の講義

　昨日、一昨日の馬鹿陽気は何処へやら、今日は朝から雲が低く垂れこめ一日中大風が吹き荒れていた。夜には雨も加わって、ベランダの窓ガラスには横殴りに大粒の雨が当たっていて、まるで台風の様である。最近は何だか気候の変動幅が大き過ぎて不気味である。
　今年の晩秋に、神奈川県の私立大学で90分講義を6時間受け持つ事になった。最初は若い人に少しでも伝えられる事があればと喜んで志願したのだが、だんだんと気が重くなってきた。講義中に居眠りは当たり前、傍の迷惑にならなければそのままそっとして置けだとか、OHPを使わないと最近の学生は緊張が続かないからパワーポイントは必須、だとか言われているのである。今まで何度か、日本語や英語で講演をした事はあるけれど、OHPなどと言う文明の利器は一度も使った事がないので、少し途方に暮れている。
　未だ大分先の事だけれど、明日先方への挨拶を兼ねて教室の下見に行く事になった。4月の新学期には先輩の講義を聴講させて貰うことにしてある。半端な講義時間ではないだけに、相当準備を重ねないとまともな講義は出来ないと覚悟は決めているが、寝られるのは自分の話が退屈だからなのだと分かってはいても一生懸命準備した挙句に子守唄にされるのも厭だという気は拭えない。楽しみと後悔が相半ばのこの頃である。