baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 なにをとち狂ったか、新生銀行

 新生銀行太陽光発電事業に積極融資するのだそうである。気違い沙汰としか思えない。百歩譲ってその意気や善しとしても、もう疾うに時期を失している。
 総理になったは良いが何の実績もなく、その上福島原発事故で大失態を演じてしまった菅直人が何とか名前を残そうと、孫正義の口車に乗せられて強引に通したのが再生可能エネルギー特別措置法であった。その悪法を、ろくな検証もされないままに国会を通してしまったから、太陽光発電の1kwh当たりの買い取り値段は42円と言う、一般電気代の2.5倍もの法外な価格で電力会社が無条件に買い取る事が義務付けられている。その高価な電気代の帳尻は、結局は一般家庭や企業につけ回しされると言う、とんでもない法律である。その桁違いの電気代を、多少は値下げすると言うニュースがやっとつい先日あったばかりである。それでも未だ36円と言う、通常の電気代の2倍の値段である。そんな無茶苦茶が長続きする筈がない。日本よりも遥かに先んじて同じ事をやって破綻したドイツの先例があるのに、日本はそこからは何の学習もしていないようである。
 そんなところへ新生銀行太陽光発電に1000億円からのプロジェクト・ファイナンスをすると言う。プロジェクト・ファイナンスと言うのは、事業主体の信用力ではなくプロジェクト自体の収益力を担保とする融資である。つまり、プロジェクトが儲からなくなれば返済が滞ると言うスキームである。何年間のファイナンスか知らないが、太陽光発電が長続きする筈がない。太陽光パネルのメンテナンスや破損についても未だ十分なデーターは揃っていないと思われるし、パネル自体の寿命も未だしかとは分かっていない。例えばパネル面の掃除一つ取っても、結構な人件費が掛かるであろう。人件費を掛けなければ発電効率が落ちるし、発電効率をある程度維持する為には随分な人件費が掛かる筈である。その上、電力の買い取り価格は今後も間違いなく下降する。現在の物価水準を基準にすれば、30円台の電力などあり得ない。せめて去年立ち上がったプロジェクトへの融資なら、少なくとも2-3年の先行期間があるのだが、これからの事業への融資となればもう無事故で完済される歩留まりは50%にも及ぶまい。
 僕はこの戦略は絶対に失敗すると思う。新生銀行の経営陣の常識を疑う。僕が新生銀行の株を持っていたら、来週早々に売却する。太陽光発電はその電力料金を適正に評価するなら飽く迄も補助電力であり、大金を投資するメジャーな発電事業には成り得ない。しかも大掛かりになればなるほど緑を破壊する、一見エコであってエコではない発電形態である。シェールガスの輸入が現実の物となり、メタンハイドレートの事業化も視野に入って来たと言うのに、何を今更とち狂ってしまったのか。これが発展途上国であるなら、間違いなく新生銀行の経営幹部に裏金が流れているとしか思えない珍事である。