隣家の桜

　一昨日は花粉症をおして出掛けたのだから覚悟の上ではあったけれど、昨日は朝からくしゃみと鼻水、目は痒くて腫れぼったく、しかも酔っぱらったように目のあたりが赤くなっている。斯うして楽しかった後のツケはしっかりと回って来た。それが今日も未だ続いている。特に目の痒みが酷くて閉口である。
　隣家の桜の大木は、先々週突然花を付けた。何曜日だったか忘れたが、朝まだ薄暗い時にベランダのカーテンを開けたら、気象庁の様に6輪とは言わぬまでも、未だ数えられそうに僅かな花が開いていた。それが夕方になると、もう3分咲き位にまで花の数が増えていた。最近は毎年同じ思いなのだが、今年も例外ではなく桜の花が咲き急いでいる。そしてその桜も先週の金曜日ぐらいには満開になった。不思議な事に、その横に並んでいる木は未だ一輪も開いていない。
　ところが昨日から急に気温が下がり、満開の桜が急に成長を止めたようにしっかりと枝にくっ付いたまま、一向に散る気配はない。満開で止まってしまったように、活発だった活動が止まっている。お蔭で僕は昨日、今日と、満開の桜を満喫している。他方その横の桜は、一層蕾のまま固まってしまった様である。何とも意固地な桜なのである。