baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 予定通りの出張

 ブログの更新に、すっかり怠け癖がついてしまった。するとよそ様へのブログ訪問も無精になり、これは失礼だと少し反省もするのだが、少し息を抜くのも悪いものではないと開き直ったりもしている。そもそもブログを始めた動機は、ボケ防止に加え、稀代の無能で痴愚蒙昧な時の宰相に無言ではおれずに始めた部分も大きいのだが、政権が変わってからは悲憤慷慨するほどの事も減り、題材に事欠いているという理由もある。
 引っ越しで痛めた背中は、どうやら疲労性肋骨骨折ではなかったかと思っている。痛みの種類が、昔肋骨を骨折をした時に酷似しているのと、今週になってやっと引いた痛みの長さも骨折に符合する。若い時は3週間であったのが今は4週間、正に符合するではないか。引っ越しで連日重いカートンや家具を持ち上げ、3階から狭い階段を下りていたので、最後に老化した身体が悲鳴を上げて疲労骨折したとしても可笑しくない。突然痛みに襲われ、それから数日は物が持てず、その後も重い物を持つと激痛が走り、本当に苦労させられた。
 月曜日から予定通り出張で、と言っても結構急な出張だったのだが、またインドネシアに来ている。今回のインドネシアでの大きなニュースは、先ずは昨日、バンドンでテロリストのアジトが治安部隊に急襲されたことである。当初はアジトの近隣の子供が人質にされているとのニュースが伝わり、治安部隊も突入ができずに持久戦の構えであった。ところがテロリストの一人が脱出・逃亡を試みて失敗し逮捕されてから急激に様相が変わった。家の中にいるのはテロリスト三人だけで人質はいない事が分かったからだ。それからのインドネシアは荒っぽい。家の中からは時々火炎瓶が投げられるだけで、大した抵抗が出来ないテロリストを、家を包囲した治安部隊が全員射殺してしまった。これで背後関係などの捜査に支障が出ると思うのだが、とにかく直ぐに射殺するのがここの流儀である。
 しかし、このテログループと同じグループに所属すると言われる7人のテロリストのアジトが新たに中部ジャワのスマランで見つかり、既に二名が射殺され二名は拘束、残りの三名が未だ立て籠もっているのだが、現在も攻防線の最中であると言うから一人逮捕するだけでも一応捜査の発展はあったのであろう。とは言え、そこには凄まじい拷問があったと思う。当地では未だ人命は安く、人権も確立していない。しかし程度の差はあれ、世の中が未だ先進国の人権擁護のレベルに達していない段階で、無理やり欧米式の人権擁護を押し付けても逆に善良な市民の犠牲が大きい事もあるから、現実にはある程度のギャップは仕方がないと僕は考えている。例えば数日前にはパプアニューギニアの独立派のデモで、デモ隊二人が警備部隊に射殺された。小さなニュースなので詳細は分からないが、例えばパプア辺りだとちょっとした衝突が大暴動にもなりかねないから、日本では考えられない射殺という見せしめがあり得るのである。善悪ではなく現実である。
 もう一つ連日ニュースを騒がしているのは、毎度の事ながらまた汚職である。インドネシアも日本同様、畜産農家の保護を目的に安価な牛肉の輸入を割り当て制で厳しく制限している。この割り当てを社会正義党と言うイスラム系の政党が、党首以下が職権を濫用して不当に乱発し、しかもその恩恵を受けていた輸入業者が多数の愛人に高級車や高級輸入ハンドバッグなどを買い与えていたと言うスキャンダルである。このニュースは社会正義党の不正と、不正輸入業者の愛人問題なのだが、何れもインドネシア人の好きな話題だからテレビで喧しい。
 インドネシアは既に2014年の大統領選挙を見据えた選挙戦に突入しているから、こういう話には裏があるとは思うが、所詮火のない処に煙が立つ訳もなく、捜査を受けている関係者が不法を働いていたのは間違いあるまい。とにかく余り深く後先も考えずに金に走り、その金を不用意に使うのがここの国の人の特徴である。凶悪犯も知能犯も、その気で捜せば幾らでも証拠が出てくるザル犯罪で、凡そ完全犯罪には程遠いのである。そして愛人がゾロゾロ出て来た輸入業者の夫人が堂々とテレビのインタビューに応じ、興奮もせず悪びれもせずに自分の夫の愛人問題を、夫は悪くない、夫をたぶらかした愛人が悪い、と断じる辺りもインドネシア的である。インドネシア人はこういう南洋的な人たちだから、そこで狡猾で勤勉な華僑があっという間に大儲けしてしまうのは致し方が無い。