baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 ワイン会

 先週末にワイン会に参加した。パリのトゥール・ダルジャンのカーヴィストである林秀樹氏が主宰するワイン会の一で、僕が参加するワイン会は毎年この時期に東京で開かれる。昨年は所用で都合がつかなかったので、今年は2年振りと言う事になる。
 毎年普通では口に出来ないワインが出て来るのが楽しみな、年に一度の贅沢である。出席者は12名限定で、1本のワインを12人で分けて飲む。食べ物は口直しの、塩味が少し効いた生のフランスパンのみ、バターもチーズも口が曲がるので一切出て来ない。芳醇な液体を口に含みながら、それぞれが勝手な感想を述べる。産地や年代など、素人の集まりだからそれこそ当たるも八卦、当たらぬも八卦の喧々諤々である。

 何本か空けたあとに、今日はこれで最後と言うワインに赤ワインが出て来た。と思ったのだが、この赤に見えるワインは実は白だったのである。そしてその製造年は1947年、何と僕の生まれた年のワインであった。

(一見は如何見ても赤ワイン。興奮して写真を撮り忘れてしまい、大分減っている)

(これがそのボトル。透明瓶で戦後直後だからか、何だか質素な壜である)
 会には1947年生まれが二人いたが、もう一人は未だ開けてないけれども生まれ年の赤ワインを持っているからと、僕に空き瓶を譲ってくれた。早速我が家の飾り棚に納まった。

インドネシアの木彫りを背景に鎮座する僕と同い年のワインボトル)
 肝心な味はと言うと、富貴ワインに近い甘さなのだがそれ程くどくはなく、ふくよかで複雑な芳香は筆舌に尽くし難い美味であった。コルクも少しも痛んでおらず、古いワイン特有の寸法の長いコルクが、これまた綺麗に保存されていた。恐らくもう二度とは口に出来ないであろう同い年のワインに、図らずも欣喜雀躍した僕なのであった。