baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 台風で散々な目に遭った帰国

 ジャカルタからは、元々昨日の夜行便で帰る予定であった。ところが、東京に来る台風としては10年振りの大型台風接近との予報で、昨日は朝から日本の航空会社に運行状況を確かめる国際電話を何回か入れていた。それでも当初は予定通りと言っていたのだが、現地時間の15時半ごろに、やはり4時間半遅延するとの連絡が来た。21時55分発が翌朝の2時35分発になるという。つまり日本時間では朝の4時半出発である。よほど一日延ばそうかとも悩んだが、どうしても今日中に東京で片付けなければならない仕事があり、予定通り帰る事にした。現地時間の18時頃にはまた日本の航空会社からわざわざ電話が入いり、予定通り出発するか一日延期するかを確認された。昨日は現地が休日で現地の事務所が役に立たない事もあったが、随分肌理の細かい対応で感心した。
 ホテルは本来12時チェックアウトなのだが、色々と手を尽くして19時までサービスで延長して貰った。それからは現地の知り合いなどにも迷惑を掛けながら、何とか時間を潰して、漸く2時半の飛行機で出発した。機内アナウンスで着陸の2時間前ぐらいから揺れが始まると聞かされていたが、実際にはそれ程の事はなく成田へ後20分位になった処で急に可笑しな揺れ方が始まって、着陸するまでの僅かな時間に僕は珍しく酔ってしまった。疲れと寝不足ももあったのだと思う。着陸の時には未だ相当の横風でローリングが酷く、飛行機は余りスピードを落とさずに、と言うよりはむしろ猛スピードで着陸した。かなり難度の高い着陸だったろうと思う。
 成田には11時20分に着陸し、11時半過ぎにはもう税関の外に出ていた。ロビーには人影が少なく、雑踏を覚悟していた僕には少し拍子抜けであった。早速リムジンバスのカウンターへ行ったら、リムジンは止まっていて再開の見通しは未だ立っていないと言う。仕方がないので電車の乗り場へ行ってみたら、京成は止まっていたが、辛うじてJRの千葉行き鈍行がもうすぐ出発するところであった。どうやら初めての上り電車のようである。何とかこの普通電車に駆け込んで無事に動き出したのだが、車窓から外を見れば辺り一面水に浸かっていたり、道路が完全に冠水していたりで、とんでもない雨が降った事にやっと気付いた。注意して景色を見ていると川がどこも増水していて所々で氾濫している。車がエンコして放置されていたり、ガードレールの頭だけが覗いていて元々は道路であることが分かったりであった。田んぼは水を被って、恰も湖の如き様相を呈している。そんなだから電車は20-30㎞のノロノロ運転で、千葉まで1時間半も掛かってしまった。しかも四街道辺りから先は、朝の通勤電車の如くドアも閉まらぬ超満員で、キャリーバッグを持っている僕は酷く肩身が狭かった。
 千葉からも快速は未だ走っておらず、総武線の各駅停車に乗るしか手はなかった。ホームから人が溢れかえって転落するのではないかと思われる程の混雑の中を、慣れぬ乗り換えでウロウロしながらも何とか目指す電車に乗り込み、やっとの思いで新宿に辿り着いたものである。新宿ではもう精も根も尽き果てて、タクシーで帰宅した。実にジャカルタのホテルを出てから20時間半、それも飛行機の中は僅か7時間程に過ぎない長旅になり、睡眠は3時間ほど、流石に今日は疲労困憊である。しかし、戻って見れば大島では大変な災害になっているようで、疲れた程度で文句は言えないと自戒している。今日中にやらねばならぬ仕事は先程片付けたが、注意力散漫で何かとんでもないミスを冒している様な厭な予感がする。