baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 東京は45年振りの大雪

 昨日の東京の大雪は、45年振りだったそうである。夕方の報道では1994年以来の大雪と言っていたが、その年は偶々僕も東京にいたので良く覚えている。確かに珍しい大雪で、翌朝には美しく雪化粧した皇居のお堀端が陽光に照らされて眩しく輝いていた光景を思い出す。しかし結局は、一日降り続いた昨日の雪はその時の記録をも更新してしまった。昨日は東京には珍しい粉雪で、積もった雪を踏むとキュッ、キュッと足下が鳴るのであった。雪国では当たり前のこんな雪も、今は東京では滅多にお目に掛かれない。
 日頃肩身の狭い思いをしている暇な老人の出番と、昨日は集合住宅の玄関先と表の歩道の雪掻きをした。しかし後から後から降り続く雪の量は半端ではなく、雪掻きした後を振り返ればもう真っ白に雪が積もっている。東京には雪掻きの雪を捨てる場所もないので、周囲の植え込みに放り込むしかない。人の踏み後の雪は凍ってしまい、水を含んでいてスコップに山盛りにすると結構な重さになる。結局昨日は3回ほど同じ場所を雪掻きした。しかし夜半から気温が上がり始めたのか、雪が止むと少しづつ溶け始めたようであった。
 今朝はそれでも未だ大分積もっていたので、新聞を取りに出たついでに先ず表の雪掻きをした。目の前の幹線道路は、融雪剤を撒いたり融雪設備がある訳でもないので、一晩降り続いた雪はそのまま積もっていて、轍では雪がシャーベット状になっているので、偶に通る車は夥しい水を跳ね上げて行く。もっとも車は殆どおらず、中にはチェインを付け慣れていないのかタイヤハウスにチェインが当たってガンガンと騒音を立てながらゆっくりと走り抜けて行く者もいる。新聞配達が、カブにチェインを巻いて、両足を拡げながらゆっくり、ゆっくりと走って行く。そのうちに近所の人も出て来て、横道の雪掻きを始めた。昨日雪掻きを度々した場所は雪が軽くて簡単なのだが、昨日手が回らなかった場所はすっかり雪が締まってしまい中々に骨が折れる。表の道路を折れて郵便受けのドアまで行った処で、腰が痛くなって一休みした。
 朝食を終えて今度は裏口に出たら、駐車場の前の少し広くなった場所で小さな子供が母親に手伝って貰いながら、雪ダルマをつくっていた。そのうちに、東京では久しく見た事がない程大きな雪ダルマが出来上がった。裏門の自動ドアはレールに雪が凍り付いて動かなくなってしまい、管理人が昨日故障の貼り紙をしている。そこで先ずレールの氷を掻き出した。たったそれだけの事でドアは普通に動く様になったので、貼り紙をはがし、駐輪場から裏口、そして裏口から横路までのアクセスに人が通れる幅の通路を作った。ここでも雪の捨て場が無く、早くも溶け出して水を含んだ重い雪を何度も、勝手に捨て場所と決めた処へ運ぶうちに、またもや腰が悲鳴を上げ始めた。横路の歩道が未だ手つかずで残ってしまったが、何も僕一人で頑張る事もないので、横道まで路が付いたところで止める事にした。
 道路には未だ轍しかなく、歩くには酷く不便である。都知事選挙の投票所が、転居して投票区域が変わってからは随分と離れた処になってしまったので、心ときめく候補者がいない事もあり投票に行くのが何とも億劫である。しかし日頃から衆愚政治をこき下ろしている手前、大事な一票を無駄にする訳には行くまい。周辺の高速道路は未だ閉鎖したままである。ラッセル車がないので、郊外電車にも未だ随分沢山止まっている路線があるようである。積雪もさることながら、ポイントが凍結して動かなくなってしまうのである。今日ジャカルタに赴任すると言っていた後輩は、電車もリムジンも走っていない中で、無事に成田に辿り着いたのであろうか。毎度の事ながら、ちょっと雪が降ると直ぐに手も足も出なくなる、全く無防備な東京なのである。
<今朝の幹線道路。普段なら上下線とも数珠繋ぎの道も.....>

            <そして横路>

    <都知事選の投票所になった地域の小学校>