baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 久しぶりに続く国内出張

 ここのところ、国内出張づいている。と言っても現役時代に比べればのんびりしたものだが、今月に入ってすぐに名古屋へ、その翌週に当たる先々週は金沢に一泊で、先週は北九州は小倉へ日帰り、そして今週は昨日三ノ宮へ日帰りしてきた。
 金沢は取引先があり、定期的に出掛けているので目新しい事もないのだが、先々週は雪こそなかったものの流石に寒かった。金沢に出掛けると何時も食事をしてから片町辺りで朝まで飲んで、遅めの飛行機で東京には昼過ぎに帰ると言うのが普通のパターンなのだが、今回は仕事が色々詰まっていたので、日付こそ変わったものの殊勝にも片町は早めに切り上げ、翌朝の飛行機で帰京したのが大正解であった。それでも羽田に着くと既に雪が降り始めていて、品川ではもう電車のホームに吹き込んできた雪が積もり始める程の本降りになっていた。お蔭で京急もJRもダイヤが大乱れで、普段なら羽田から家までは1時間少々、どんなに掛かっても1時間半のところが2時間以上も掛かってしまった。帰りのフライトがもう一便遅かったら、家に辿り着くのに半日潰していたかもしれなかった。
 そんな事を思いながらやっと乗り込んだ最寄りの郊外電車は、本数を間引きして、のんびりと安全運転をしている。随分な過剰反応だと思って、時間を焦っていた僕はイライラさせられたのだが、その日に東急電車がブレーキに雪が付いて大事故を起こしてしまい、多数の乗客が怪我をした。やはり低速走行で安全運転に徹していたのは大正解なのであった。その大雪は、家の周りでは今日になっても未だ溶けずに道端に佇んでいる。
 先週は本当に久しぶりの九州であった。朝の5時半に家を出ると言う、現役時代を彷彿とさせる強行軍で出発した。羽田からは正味1時間少々の飛行なのだが、北九州空港に着いてびっくりした。靄が掛かっている。周辺の山が霞んでしまって殆ど見えない。その靄は、如何贔屓目に見ても朝靄などと言う優雅なものではなく、スモッグである。その昔、カリマンタン島の森林火災の煙で視界が悪くなったスマトラ島のメダンで、ガルーダ航空が視界不良で墜落した事は以前にもこのブログに書いているが、正に当時のメダンを彷彿とさせるスモッグである。間違いなく中国から飛来したPM2.5の影響である。九州の人には気の毒な、何とも腹立たしい隣国の無神経ぶりなのである。
 北九州に先立つ名古屋への出張の時は、仕事を終えた後に取引先の人達と夕食を共にしたのだが、その場には上海駐在経験者がいて何となく上海の公害の話になり、上海駐在帰りの人が彼を含めて二代続けて癌になった、昨年新たに帰国した三代目の人ももうすぐ癌になる、あんな空気の悪い処に住んでいれば誰だって癌になる、と面白おかしく話していた。しかし笑い話ではなく、最近に限って言うと新たながん患者に占める大陸の中国人の割合が3割を超えている、世界人口に占める中国人の比率の5割増し以上だ、と言うニュースを聞いたばかりである。九州の住民にとっては怒りのやり場のない、気の毒なPM2.5の飛来である。
 三ノ宮も久しぶりであった。新神戸で新幹線から市営地下鉄に乗り換える時に何とも懐かしい記憶が蘇った。如何いう訳か、エスカレーターに乗る時に東京では歩かない人は左に立ち、急ぐ人は右側を歩く。名古屋でも大体東京と同じである。ところが関西はこれが逆になり、立つ人は右側に立つ。前から知っていた事ではあるが、久しくご無沙汰していたので一瞬戸惑ってしまった。そして何時も神戸に行くと思うのだが、神戸の女性と、新幹線では僅かに10分程度の距離しかない大阪の女性とで、どうしてこうも雰囲気が違うのであろうか。京都と大阪もまた、同様に近いにも拘らず随分と雰囲気が異なる。どちらが如何と言う事ではないが、ひょっとすると単に大阪人が特異なのかも知れない、などとつまらぬ妄想に浸りながら電車に乗り合わせた老若の女性を観察していた。