baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 アンネのバラ

 数日前のNHKに、アンネのバラのニュースが流れていた。我が家から近い中学校に、アンネ・フランクの父親から贈られたバラが咲いていると言うものであった。
 明日まで一般公開されていると言うので、散歩がてら覗きに行った。中学校の正確な場所を知らなかったので何となくそちらの方向に歩いていたら、見るからにそれらしい高齢の男女の人通りが多くなって来た。その流れに従いて行ったら、迷うことなく行き着いた。

 入口に受付があり、そこで記名するとアンネのバラの解説書が無料で配られた。それによると、アンネが屋根裏に潜んでいた時に毎日眺めていたであろう隠れ家の裏庭に咲いていた野ばらを、戦後ベルギーの園芸家が品種改良し、「アンネからの贈り物」と命名してアンネの父親に贈ったものが最初と言う事である。このバラは蕾の時は深紅、それが開花するとオレンジ、黄色、ピンクへと色を変えるのだそうである。
 その後色々な経緯を経て1976年に、父親が栽培していたバーゼルの庭から3株だけがその中学に贈られたそうである。その希少なバラを、中学生、教員、父兄、更にはOBなどが大事に大事に育て、今では全国の学校に株分けされるまでに育っていると言う。色が変わる事まではちょっと見ただけでは分かる筈もないが、見事な大輪の花が校門から昇降口に到る数十メートルの通路の両側に咲き乱れていた。