baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 バラック・オバマ来日

 米国大統領バラック・オバマ国賓として昨夜来日した。テレビでニュースを見ていて、色々と思い出したり、思うところがある昨日今日である。
 米国大統領が外国訪問する際には、150人とも200人とも言われるシークレット・サーヴィスが一ヶ月も前から乗り込んで来る。そして移動経路を一つ一つ綿密に点検し、少しでも警備に支障を来す建物などが視野に入れば受け入れ国の面子などは頭から無視してルート変更を強要する。道路は側溝から下水道まで隈なく点検する。今回は迎賓館泊だが、これがホテルだと上から下まで、特に大統領の部屋があるフロアは上のフロアと下のフロアの天井裏、床下、ダクトの隅から隅まで全て点検する。恐らくは迎賓館といえども例外ではなく同様の、見方によっては相手国に極めて失礼な点検をしたと思われる。
 車は特製のキャデラックである。床下の装甲は爆弾が破裂しても車内は安全という特殊鋼板で覆われ、ガラスは10㎝の防弾ガラス、車体も厳重に装甲されていて勿論銃弾程度では貫通しない。それで重量は7トンにも及ぶと聞いた。その車を二台米国から持ち込んで、事前に徹底的に安全チェックと整備を実施する。日本ではヤナセがその任を負う。そして、大統領が到着してからは、この二台を常に一緒に走らせる。どちらに大統領が乗っているか分からなくさせる為である。更に今回初めて気付いたのだが、警備の車列にサイドカーがいた。サイドカーの役割が何なのか分はからない。それなりの意味があるのは間違いないが、レジャー以外では見た事も無い車がいる事に驚いた。
 二台のリムジーンでカムフラージュするのと同様なのだが、遠隔地に出向く時にはよく大型ヘリコプターを使ったスハルトは、常に三機のヘリコプターを同時に飛ばしていた。出発する時には護衛のカムフラージュ・ヘリコプターが二機、先に離陸して低空で待機する。するとスハルトがにこやかに見送り人に手を振りながら最後のヘリに乗り込み、離陸する。下から見ているのだから例え三機いても、スハルトの乗機を見失う筈はないと思うのは素人考えで、上空で三機が一瞬交錯して編隊を組むと、まるで手品師もどきにあっと言う間にどれがどのヘリだか分からなくなってしまうのであった。オバマの車は二台だが、二台とも日米の国旗を掲げ、やはり遠目にはどちらがどちらだか分からない。
 夜は宮中晩餐会で、天皇、皇后が国賓待遇のオバマを接待されている映像が流れた。そこに映し出されたケネディ駐日大使の服装を見て、開いた口が塞がらなかった。袖なしのドレスに、長手袋も付けていない。幾ら歴史や文化に貧しい米国の大使とは言え、余りにも非常識な服装ではないか。元々赴任前の下馬評とは裏腹に何かと評判の悪い大使ではあるのだが、やはり金持ちの跳ね返り娘に過ぎなかったのかと思わざるを得ない、何とも非礼な服装であった。