baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

ジャカルタから

日本は例年にも勝る連日の猛暑の様で、御愁傷様なことである。僕は幸いにも3日前からジャカルタに避暑に来ているので、今は日本の猛暑のニュースを高嶺の花で観ている。同行している取引先の社長も「ジャカルタはもっと暑いと思っていたけれど、東京の夏より余程過ごしやすいですね」と言っている。実際ジャカルタは赤道直下にあるので、日中の直射日光の下ではお世辞にも過ごし易いとは言えないけれど、湿気は低いし普段は風があり、朝晩はちゃんと気温が下がるので、四六時中上と下からトーストされる様な東京よりは遥かに過ごし易い。
今回は10日程の滞在予定だが、連日びっしり予定があり日替わりで日本から人がやって来る。それに今週はバンドンにも行く予定なので、何だか随分と気忙しい。入院以来少しペースダウンしようと思っていたのに現実はとてもそれどころではない。この貧乏性は自分でも手に負えない。
色々やっている仕事の中でも今一番入れ込んでいるのが、インドネシアのチョコレートの原料を日本に紹介する事である。インドネシアは世界第2位のカカオ生産国でありながら、工業化の遅れもあって日系企業の子会社が日本向けに半製品を輸出している以外、未だ日本向けの半製品輸出の実績はない。しかし実際には既に相当のレベルの物が作れる様になっていて、衛生管理も充分ゆき届いているインドネシア企業も出始めている。そういう製品を紹介し、インドネシアにも昨今の日本のチョコレートブームの仲間入りをさせたいのである。こんな夢が叶えば、本ブログの読者諸氏も来年あたりにはインドネシア産のチョコレートを口にされているかも知れない。
ただ日本の非関税障壁には聞きしに勝るものがあり、チョコレートの半製品輸入でも大手チョコレートメーカーの政治力で極めて不公平な輸入規制がある。折からTTPのニュースが喧しいが、TPPに限らず、日本の国益を擁護するのは当然だが、一部のみの権益を擁護するのは許し難い不公平であるし、引いては国益にも反する事を官僚は猛烈に反省すべきである。日頃は非関税障壁と言われても俄かにはピンと来ないが、いざ自分の目の前に立ちはだかられると、その不条理に日々地団駄を踏むのである。