baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 オスプレイ不時着事故に想う

 沖縄でオスプレイ海上に不時着水して大破した。僕は元々オスプレイは発想に無理がある危険な飛行体だと思っているから、オスプレイ自体には反対であり、その理屈はもう古い記事なので何時頃の事だったかも忘れてしまったが、以前このブログにも書いた事がある。しかしだからと言って、今般の翁長沖縄県知事を初めとする相も変らぬ沖縄のヒステリックな反応には辟易する。沖縄県民の総意ではなく一部の人間が画策しているに過ぎないとは思うが、騒ぎを起こす事が目的であって全く非建設的、且つ不愉快である。
 そもそも人間が作った金属を、人間が操って空を飛ばすのだから、必ず事故が起きて落ちる事はある。神ならぬ人間の宿命である。しかし、民間機の事故は世界中の到る所で頻繁に起きているが、事故がおきたからと言って同型機を直ぐに飛行停止にしたりするであろうか。そんな話は聞いた事が無い。勿論機体に予期せぬ不備があれば飛行停止にするのは当然の事で、最近では新たに就航したばかりのボーイング787のバッテリーが立て続けに火災を起こし、一時飛行を取りやめた。しかし、それ以外では事故機と同型機の飛行停止は記憶にない。そもそも航空機は、就航前の型式認定試験で徹底的に検査を受けており、苛酷な試験をパスしているから、設計上の、或いは機械的な不備はほぼないと言う前提だからである。ホンダジェットMRJも、この型式認定取得に大変な苦労をし、またMRJは今も続けている。オスプレイについてもそれは同様であろう。だから一般的には、事故が起きれば徹底的に原因を究明するし、時にはそれに数年を要する事もあるが、その間同型機を飛行停止にすることはない。その程度には安全が担保されていると言う事である。
 にも拘らず沖縄では、不時着原因が不明だから飛行を取りやめろと大騒ぎである。一見理屈がある様で、実は騒ぎを起こす為に騒いでいるに過ぎない。米軍基地反対だから、何でもきっかけがあれば嫌がらせをする。今回の事故は空中給油中に、給油ホースがローターに当たりローターが壊れたが為にバランスを崩して飛行不能になったとの米軍説明であるが、元々翁長一派は聞く耳を持たないから原因究明が不十分と騒ぐばかりである。しかも5名の搭乗員の中2名が負傷したと言うのに、メディアも含め誰も負傷者の安否など歯牙にもかけていない。僕は、母国を遠く離れた遠隔の地で任務について居る外国の若者に死亡者がいない事を願っているのに、騒いでいる連中にはそんな事はどうでも良いらしい。自分の主張に終始して周囲の事には目もくれない、まるで我儘でただ泣き叫ぶ幼児の態である。
 米兵絡みの事件でも同様である。沖縄には米軍基地が集中し、米兵が多く駐留するから、米兵が問題を起こす確率も上がる。そして沖縄では、米兵が問題を起こすと必ず米兵が出て行けと言う短絡的な反応となる。僕のいる東京にも、中国人を筆頭に外国人が沢山いる。その数は沖縄の米兵の比ではなかろう。その外国人が日本人女性を刺殺した、などという事件も起きる。だからと言って僕達は誰も、外国人は東京から出て行けとは言わない。何故なら、外国人ならみんな悪人だ、という道理がないからである。沖縄の米兵も同様で、中には悪い人間もいよう。日本にだって、警察官や自衛官や消防士の中にも犯罪を起こす人間はいる。だからと言って、皆が皆悪い人間である筈がない。それを、米軍基地があるから沖縄県民は危険にさらされている、悪辣な米兵の盾にされている、と屁理屈をこねて騒ぎ立てる。そこで善良な米兵は気の毒にも、夜間外出禁止だとか禁酒だとか、およそ非人道的で不条理なパーフォーマンスを強いられたりする。
 地政学的に沖縄に基地が多いのは仕方がない。周辺住民には本当に気の毒だとは思うが、幾ら騒いでも、日本の安全保障の為、極東の安全保障の為には沖縄に基地を置くのが一番理に適っている。特に一旦緩急あれば緊急出動が要請される海兵隊と空軍は、前線に近いところにいなければ急場に間に合わない。現在の様に領土拡張に貪欲で、頻繁に軍艦が日本の領海に侵入し、戦闘機が編隊で沖縄列島の上空を横切り、南シナ海では急ピッチで公海上に軍事基地を造成する、といった無頼行為を続ける中国が今の中国であり続ける限りは、沖縄には基地がなくてはならない。その苦労を慮って日本政府も沖縄には並外れて手厚い待遇をして来ている。しからば沖縄県民ももう少し現実に立ち返り、翁長の如き一部の扇動家の言に惑わされる事無く、闇雲に「反対、反対」、「出て行け、出て行け」、と叫ぶのではなく、世界一危険な普天間基地の早期撤去、また民政では家屋の防音やインフラの更なる向上を図り、地域産業の振興を目的により一層の予算配分を国から勝ち取るべきである。勝ち目のない法廷闘争など、百害あって一利もない。