baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 衆院選を見て

 衆院選が民主の地滑り勝利で終わった。民主による政権交代はかなり以前から予想はしていたが、これ程の大差になるとは想像していなかった。僕は別に自民支持でもなければ反民主でもないが、前回の郵政民営化選挙以来最近の気候の様に、少し振幅が大きすぎるヒステリックな結果に危惧を感じる。小選挙区制の影響も大きいと思う。これが良いのか悪いのか、未だ僕には分からない。因みに比例代表での民主と自民の比は61対39、これに対し小選挙区での比は78:22、6:4が8:2になってしまうというのは、少し開きがあり過ぎるという危惧である。そして小選挙区比例代表で選ばれた議員は夫々この二党で300人と100人なのである。無意味な数字の羅列だが、仮に400人の議員を比例代表の比で分ければ、現状の306人対118人が259人対165人になる。この位の方が何となく実態に近いように思うのは僕だけだろうか。
 今回の選挙戦を見て、マニフェストなどと言う馴染みのない英語でバラマキの人気取りをオブラートに包み、高速道路無料化、ガソリン税廃止、教育費無料化、農業所得補償、消費税率上げ凍結、など良い事づくめの公約であったが、各論の議論はさておくとして、無理な公約は正直に無理だったとして将来へのツケにはしないで欲しい。面子に拘った将来に禍根を残すような政策の実施だけは見直して欲しいと思う。
 行政改革の為に政治家を100人各省庁に送り込み見直しを図る、などというのは受けは良いが非現実的な政策の権化ではなかろうか。ただでさえ若い、経験もない新人議員が多い民主党を中心とした、野党しか経験のない新与党議員が突如行政の府に乗りこんで一体何が出来ようか。世の中それほど簡単に回っている訳ではあるまい。私企業でも上が替わると、資料作りやらご進講やらで能率は夥しく下がるのだが、結局新たに乗りこんで来た人には自分の存在感をアピールする為の余計な仕事作り以外には殆ど為す術がない、という事は良くある事である。同じ轍を踏まぬ事を、更には汚職の巣窟にならない事を祈るのみである。
 外交でも是非々々軽挙妄動を謹んで頂きたい。外地に長く生活していると日本の外交下手にはしばしば目を覆うものがあった。小泉政権時代は特に酷かった。小泉首相ほどの外交音痴もないものだが、それをブッシュとのパーフォーマンスだけで誤魔化した。同様民主党政権になって、外交の素人集団が馬鹿なことをしてくれないか、気が気ではない。先日の小沢一郎の米国の第七艦隊があれば後は不要、米国の安全保障の傘無用、発言に象徴されるように外交音痴には何を言い出すか分からない不安が付き纏う。己の実力も知らずに無謀な発言をする事は、今までは所詮野党の人間の戯言で済んだが、これからは政府を背負って立つ自覚を持った慎重な発言が必要となるのである。 
 と、ネガティブな事ばかりを書き連ねたが、政権を奪取したからには国民が切望する長過ぎた自民、およびその連立政権の行き詰まった政権運営に風穴を開け、不効率がマンネリ化した行政を改革し、日本人に生まれて良かったと言う日本の将来をしっかり見据えた政権運営を大いに期待するものである。