baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 ノーベル平和賞

 オバマ大統領がノーベル平和賞を受賞した。ノーベル賞といえば、物理、化学、数学、その他どの分野でも色々と実績を積み上げた挙句に、大分経ってから指名されるのが普通なので、平和賞のように政治的に、また期待を込めての指名に正直吃驚した。恐らく、指名されたご当人を含め吃驚しなかった人はいないのではなかろうか。
 そもそも平和賞の対象が「平和」という何とも抽象的な事なので、他の分野の賞とは根本的に性格が異なるというのは良く分かる。兵器産業に携わる人々や武器商人、或いはネオコンの人達も含まれるのかも知れないが、は例外かも知れないけれど、そういう一部の人達を除けば誰も平和に反対する人はいないと思う。地雷、クラスター爆弾、ボール爆弾、ナパーム弾、中性子爆弾、毒ガス弾、等々残虐な兵器は沢山ある。元々兵器は人を殺傷する為に作られているのだから残虐でない訳がないのだが、その中でもここに上げた兵器は殺傷の仕方が殊に残虐なのである。そして、その究極にあるのが核兵器である。核兵器は、どんなに小型であろうと戦闘員と非戦闘員を区別して攻撃する事は不可能である。戦闘員も婦女子も一挙に殲滅してしまう。広島や長崎を引合いに出すまでもなく、究極の残虐兵器である。それを無くそうと唱えてくれたのだから、世界で一番影響力の強いオバマ大統領にノーベル平和賞を贈り、有言実行して下さいよ、というメッセージを出すのは大賛成である。
 一方でアフガニスタンで戦争をやっている国の大統領にノーベル平和賞を授与するのは適当ではない、という声もある。しかし、タリバンアルカイダとの戦争は平和の為の戦争であろう。タリバンアルカイダが跋扈する様な世の中は平和ではあり得ないと、僕は思う。僕が核兵器の廃絶と共に、オバマ大統領に望むのは中東の平和である。テロリスト国家イスラエルに影響力を行使出来るのは米国しかあるまい。そもそもイギリスの戦後処理が無責任極まりなかったのだが、今更60年も前の事を言っても元に戻る訳ではない。その結果、イスラエルという国が忽然と他人の領土を占領して独立してしまったのだから、軋轢が生じて当たり前なのであるが、周囲の国に比べてイスラエルが余りにも武力的に強大になり過ぎている。そしてその強大な武力を背景に公然とテロを行使して多数の、婦女子を含めた民間人を一方的に殺害し、更に領土を拡大せんと入植地を広げているのは許されざる蛮行である。オバマ大統領には、ノーベル平和賞の受賞者の名に相応しい、中東和平をも速やかに実現して欲しいと切望する。