baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 岡田外相の訪アフガニスタン

 岡田外相が今日、突然北京からカブールに入ったそうだ。6時間滞在すると言う。無事ならこのブログを書いている頃にはもう出発しているだろう。もともと防諜など殆ど何もしていないみたいなスパイ天国の日本から、自国の軍隊が駐留している訳でもない紛争真っ只中のアフガニスタンを、よくぞ訪問したものである。腹の据わったスタンドプレーなのか、無知のなせる技なのかは知らないが、民主政権の中ではこの一ヵ月相対的に僕の評価の高い岡田外相にはくれぐれも自重して欲しい。
 目的はカルザイ大統領と面談してアフガニスタン復興に何を一番求められているかを話し合う為という事だが、ここにまた衆院選マニフェストに拘る民主党の硬直性が如実に表れている。インド洋での給油活動からの撤退、をマニフェストに謳った手前引っ込める訳にはゆかない、かといってオバマ大統領の来日時には代案がないと格好が付かない、ということである。しかし、選挙当時は国民にはインド洋からの撤退しか訴えておらず、他の手段でアフガニスタンの復興に貢献する、と言い始めたのは選挙に勝ってからである。すでに、そこには欺瞞が存在する。どうせ国民を騙すのなら今まで通りインド洋の給油活動を続ければ良いではないか。鳩山首相とて、時間と言うファクターでマニフェストが変わる事はあり得ると開き直り始めているではないか。
 アフガニスタンの陸上で日本が活動を始めれば、先ず間違いなく何れは犠牲者が出ると思う。イラク戦争よりは遥かに危険度が高い。タリバン勢力はカルザイ政権の転覆を狙っているのであるから、日本人がいようがいまいが現政権を支援する動きには容赦はあるまい。邦人警護の為にPKOの名を借りて自衛隊を派遣すれば、攻撃を受けるのは間違いなかろう。戦闘に慣れていない自衛隊員を戦場に送り込むというのは如何なものか。
 かと言ってインフラ整備や学校整備にお金だけ出します、では日本の顔が見えない。国際援助は顔が見えなければ意味が無いのである。湾岸戦争の時に日本は莫大な資金を出させられながら、戦闘員を送った国からは日本は感謝をされないどころか、日本は何もしないと非難されたのは記憶に新しい。国民の血税をそれこそムダ遣いしたものである。だから、航空機や艦艇を持たないタリバン相手の戦争で、安全な洋上で後方支援をして存在をアピールすると言うのは何とも素晴らしいアイディアであると思っていたのだ。面子に拘りマニフェストに拘るあまり、日本人から犠牲者が出たという事がないように、時間のファクターを理由に、是非方針転換をして欲しいものである。
 帰路、地震災害の甚だしいインドネシアのパダンに寄るそうだ。パダンに一国の外務大臣が惨状視察に行くというのは、大変なパーフォーマンスである。当然それなりのお見舞いを用意して行くのであろうから、インドネシアでの評価は大いに上がると思う。今回の地震の犠牲者は数千人との見積もりの様だが、実際にはもう一桁多い様な気がしてならない。折角日本の外務大臣が現地視察までするのであるから、ここは目先のお見舞いにとどめず、是非とも地震大国の日本の技術を活かしてインドネシア全域に耐震建築を普及させる道筋を付けて来て欲しいと切に願う。。