baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 民主党への提言

 いよいよオバマ米大統領の来日まで後二日と迫った。アジアでは最初の訪問国に日本を選び、日本の面子は一応立てる一方、日本には一泊で後から訪問する中国には三泊もするらしい。鳩山政権の迷走ぶりに既に見切りを付けられ、いよいよ東アジアの最重要国は中国だという、米国の明確なメッセージでないと良いのだが。小沢一郎が昨日、また欧米を逆なでする、言わなくても良い失言でキリスト教を扱き下ろしたようである。この人は在日米軍不要論で物議を醸したばかりのマルドメ幹事長である。小沢一郎を筆頭に、外交素人集団の民主党は心底心もとない。
 インド洋給油活動以後のアフガニスタンへの支援が、人員派遣はせず五年間で5千億円の資金援助による民生向上支援に決まったらしい。また、日本の顔の見えないバラマキで、資金効率の悪い方法に逆戻りである。湾岸戦争の時に莫大な資金を拠出しながら、参戦国からは日本は何もしないとクレームされた時の二の舞を演じようとしている。これでも優柔不断な鳩山首相としては何とかオバマ大統領来日までに纏めた、と言う事なのだろうが淋しい内容である。
 人的派遣もしなければとアフガニスタンの司令部に連絡官を派遣すると言う、平和ボケした能天気な政治家のアイディアは流石になくなったのがせめてもの慰めである。部隊を派遣する訳でもないのに、何の為の連絡官の派遣か、戦地に用もない武官を派遣されては派遣される方も迷惑千万であろうと危惧していたのである。派遣される人も堪ったものではない。用もないのにウロウロさせられ、しかも価値もない事に命を危険に曝すのである。アフガニスタンは多数の米兵が毎月死亡している、戦場だという事を忘れてはいけない。
 顔の見えない援助に年間1,000億円、給油活動であれば顔が見えて且つ、僕の記憶が正しければ年間200億円位ではなかったか。インド洋給油活動の延長はないという公約に拘る民主党の面子だけの為に、国民はこれから5年間、年間800億円の負担増を強いられるのだろう。しかも、またどこかの国に日本は何もしないと謗られるかも知れない。
 これ以上馬鹿の上塗りをしないように、民主党政権に以下を提言したい。

  1. マニフェストに拘るのは止める。鳩山総理も、時間的ファクターによりマニフェストは変更され得ると既に発言しているのだから、特に問題はなかろう。選挙公約に縛られ、国政が足踏みし、対外的に信用が失墜するのは断固回避しなければならない。また、財源が伴わない限り、バラマキに拘って赤字国債の大増発はすべきではない。次世代に残す借金を出来るだけ減らすのが我々の世代の責務である。更に、経済刺激策を犠牲にしてまで選挙公約に拘るのは本末転倒である。
  2. 政策の見直しは、未だ見直しが間に合うものは見直したら良いが、既に前政権時代に走り出している政策には無理してまで政策変更は行わない。むしろ、これから策定する政策に民主党色を出すように注力すべきである。後ろを振り返るのではなく、前向きに取り組むべきである。
  3. 米国に対する対等の関係などと、的外れを言うのを止める。米国に不信感を抱かせ、徒に刺激するだけである。そもそも今時の外交に不平等などは原則あり得ない。従い、米国は何故鳩山政権が今更「対等」などと言うのか理解できないでいる。しかし、現実には軍事力も貧弱なら集団的自衛権も放棄しており、更に経済力でも圧倒的に劣っている今の日本が、米国との力関係で対等になる事はあり得ない。もっと現実を見据えて、徒に米国を刺激しない事だ。そして普天間基地問題のような過去の合意事項を今更蒸し返すのは止めてさっさと年内に合意してしまい、民主党はこれからの日米関係に価値のある新たな取り組みを速やかに始めることだ。沖縄県民には別の形で穴埋めをするしかない。

 未だ政権に対する支持率は高いのだから、焦らずに足を地に着けて、出来る事と出来ない事を早く見極め、国民に痛みが伴う事は早く説明し、対外的には日本政府としての責任のある迅速な対応を心掛けるべきである。そして特に総理には、抽象論ではなく具体論で政治を進めて欲しいものである。