baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 エコカー

 三菱自工にフランスのプジョーが資本出資するというニュースが出た翌日にはスズキが独フォルクスワーゲンの出資を仰ぐと言う。日産がルノーの傘下に入った時は単純に破綻寸前の資金不足解消が目的だった訳だが、今回の合従連合のキーワードはエコカー開発のようである。
 現在のエコカーの主流はトヨタとホンダのハイブリッドカーであり、次を襲うエコカーとして各社が力を入れているのが電気自動車である。電気自動車はガソリン自動車と違って部品を集めてアセンブルすれば大規模な工場がなくても出来るので、ベンチャーなどの参入も可能である。ボディーもFRPなどでも簡単に作れるので、小規模メーカーの参入は可能であろう。しかし僕は電気自動車は限定的な用途以外では主流にはなれないと思っている。
 エコカーの究極は、僕は水素電池車だと思う。ただ、未だ水素電池そのものの開発以外に安全な水素の容器とか水素スタンドのインフラ整備だとかに相当の時間を要するので電気自動車もワンポイントでは主流になる時期があるかも知れない。しかし何れにしてもワンポイントの域は出ないと思っている。
 何故水素電池かと言えば、水素を補給すれば排ガスの変わりに水しか出ない、究極のエコカーであるからだ。電気自動車は走っている時はエコだが、充電には電気を必要とする。電気を発電するには二酸化炭素の排出は免れないし、またリチウム電池と言う希少メタルを必要とする電池が要る。ただ、水素電池の燃料も天然ガスから水素を分離するのではなく、純粋な水素を燃料にして欲しいと言うのが僕の希望である。化石燃料からは決別しなければならないと思うからだ。
 水素電池が最終的にどういう形で収まるのかは僕は未だ知らないが、少なくとも水素と酸素は無尽蔵に入手可能で、かつ排出ガスはゼロというのが素晴らしい。液化水素を圧縮充填するには700気圧の圧力が必要と聞くが、700気圧を可能にする小型コンプレッサーの技術は既に日本に存在する。あとは効率の良い軽量の水素電池の開発が実用に耐えるレベルになれば、化石燃料を必要とするハイブリッドカーはもとより、充電式の電気自動車は淘汰されるであろう。未だ15年位掛るであろうというのが僕の見立てだが、この眼で見られるうちに早くその時が来て欲しいものだ。