baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

ファショ化してきた民主党

 小沢一郎が検察の事情聴取要請に対し「前向きに検討している」と回答したそうだ。あくまでも検察如きの犬には頭は垂れない、という意思表示であろう。検察の要請を受けてから既に2週間経って初めての明確な回答がこれである、随分偉い人のようだ。日本国民なら、増してや本当に一切やましい事がなければ、唐の昔に事情聴取を受けていようものを政治家とはあに恐ろしきものである。それも、世論の93%が事情聴取を受けるべきであると考えている、とのアンケート結果がなければきっと今でも参院選対策の為の地方巡りやら囲碁やらで公然と検察を無視し続けたであろう。
 これに対する鳩山由紀夫の党員に対する呼びかけがまた奮っている。「当人が無実と言ってているのだから、同志たる者はそれを信じて支えるのが当然である」そうだ。同志などという言葉は昨今は共産党全共闘、或いは暴走族のような特殊なグループしか使わないと思っていた。検察を含む行政のトップが、自らの行政組織が信念を持って正義の為に動いている事に対して、犯罪被疑者を支えて行こうと公然と言い放っている訳だ。総理たるもの、検察と被疑者のどちらにも偏ってはなるまいに。「しっかり戦って下さい」と言って世論の批判を浴びた事が全く分かっていないようだ。犯罪被疑者を皆で支えようと呼び掛けている相手は政府与党の民主党である。
 その呼びかけに応えるように小泉チルドレンを含む民主党若手議員20名が森法相に、間接的に指揮権発動を要請したとも取れる要望書を提出したそうだ。小沢の意向を受けて、検察の動きを止めようと躍起になり始めたのだろう。同時に小沢一郎への忠誠心を表す血判状みたいな物を書かざるを得なかった事情もあったのかも知れないが、子供ではあるまいし自分に確たる判断力も平衡感覚もない議員としか言えない。本来なら生半可に片方の発言だけを聞いて刑事事件に首を突っ込むのは憚られる筈だ。一方で民主党内部に、検察を検証する会が発足したそうだ。これ以上ないほど露骨な立法による行政への介入であり干渉である。戦後の民主日本では前例のない愚挙ではなかろうか。日本の三権分立は今や風前の灯と言っても過言ではないが、反面自分の足下すら覚束ない何とも情けない与党ではある。
 幾ら小沢が強がりを続け、民主党が、極く一部の例外的に冷静な議員を除く、全党を挙げて刑事事件被疑者を擁護し検察への干渉と圧力を露骨に掛け始めても、6年間も3〜4億円もの現金を家に置いておく、胆沢ダム関連企業の裏金献金と呼応する陸山会への入金、1990年代から繰り返されている不動産購入に絡む資金洗浄としか思えない不自然な金の遣り繰り、不明な1億円の出所、等々小沢一郎は限りなくクロに近いのは、多少なりとも世間を知っている人なら誰でも感じている。それを権力で潰そうとする、指揮権発動要請とか立法による行政の干渉とか、なりふり構わぬ鳩山以下一丸となった民主党はもはやファショに走っているのではなかろうか。しかし、万が一にもこんな暴挙が罷り通るなら、日本の民主主義は昭和初期に戻ってしまう。何れにしても、過去の例から言えばそろそろ石川衆院議員秘書やゼネコン関係者等の証人の身辺警護を強化しなければならないと思う。
 もっとも鳩山が検察と取引して、自分は上申書だけで許して貰う代わりに目の上のたん瘤の小沢を潰して貰う事にし、表面では民主党議員をも騙して小沢擁護を演じているのであれば、意外と分かり易い、政界のような伏魔殿では十分あり得るシナリオだ。今後小沢逮捕の事態になった時に、検察の事前同意取り付けに鳩山がどう対応するかで鳩山の真意が見えて来るかも知れない。