baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 高速道路の無料化

 今日、無料化する高速道路が発表された。僕は以前から高速の無料化には大反対で、共産主義ではあるまいし受益者負担の原則を徹底すべしと何度かこのブログに書いた。無料にするなら高速だけというのは片手落ちで、フェリーも汽車も飛行機もバスもみんな無料にすべき、またどうしてもやらないと面子が立たないというのなら地方の生活道路になっている高速でお茶を濁すべきと言っていた。
 政府、与党はそんな理屈ではなく、マニフェストに書いてはみたものの政権交代してから、色々世間の声を聞くとそれ程評判が良くないのと、何よりも財源がないので結果としてはまあ僕の意見と大同小異の処で落ち着いた。ただ、今回の決定は取り敢えずなので今後また何を言い出すか分からない怖さは残っている。それと、今回の全国37路線の無料化だけでも年間1,000億円必要との事。どれだけの人が恩恵を被るのか分からないが、これだけの税金が注ぎ込まれ、納税者全員で割り勘する事になる。車を使わない人も、そんな地方に行かない人もである。
 首都圏近郊では、僕が良く知っている所では西湘バイパスがある。東京から小田原に行くのに、東名と厚木小田原道路を乗り継ぐと2,000円位掛る処が、第三京浜、横浜新道を通って西湘バイパスを使うと、正確には覚えていないが、800円位で行けるので箱根ターンパイクや熱海、伊豆半島に行くときに良く使う。ちょっと前に土台が台風の大波に洗われて下り線が一分崩落してしまい、通行止めになっていた。藤沢から茅ケ崎に抜ける新湘南バイパスという短い高速道路があり、これも今回無料になる首都圏の7路線の一つだそうだ。こちらは大した距離ではないので僕は使った事はない。150円位の料金の道路ではなかろうか。西湘バイパスは休日の午後の上りは今でも酷く混雑するが、元々一区間200円かそこらの安い高速だから無料になっても渋滞が酷くなるというような影響は比較的少ないかも知れない。しかしずっと国道1号線と並行して走っているので、なぜ西湘バイパスが生活道路だか観光道路として無料の高速になるのだか、今回の選定の基準が分からない。
 八戸自動車道も無料になるそうだ。こちらは東北縦貫の安代から八戸まで、岩手県青森県を一気に縦断する長い高速道路であるからこれが無料になれば岩手や青森の人は大喜びであろう。他方首都圏では、首都高も幹線道路も対象外で、西湘バイパスの200円かそこらで誤魔化されてしまうようだ。小沢一郎の地元の人は大喜びだろうが、片やざる蕎麦、片や特上ビフテキを割り勘で払うみたいな話で、首都圏の住民はとんでもない割り勘負けとなる。九州、四国や北海道、本州西部の事は正確には分からないが、全線無料になれば今回の無料化対象路線ではこの八戸自動車道が長さでは一二ではなかろうか。胆沢ダムの工事継続と言い今回の決定と言い、鳩山政権は露骨に岩手偏重のようだ。
 首都圏では全部で7路線が対象で、上の2路線の他、大槻−須走、水戸−いわき、箱根新道、中央道双葉JCTから先の中部横断道路、それと八王子バイパスが上がっていたと記憶する。夕方の短いテレビニュースで見ただけなので正確ではない。何れにしても、僕には殆ど恩恵のない、遠隔地か安いか、の道路である。日本には代替交通機関が幾らでもあるし、1990年比25%の温暖化ガス削減などと嘯いているのだから尚の事公共交通機関の利用を促進しなければならない訳で、その上首都圏は割り勘負けとなれば、もうこれ以上無料高速道路は増やさなくて良い。それどころか、出来る事なら高速代は受益者負担に戻して、この1,000億円をもっと有意義な事に使って欲しい。経済の二番底を誰でも心配し、海外の投資マネーには敬遠され、雇用は一向に伸びず給与は下がっている時期に、相も変わらずマニフェスト固執して税金の無駄遣いをしている時ではないと思うのだが。