baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 半年経った鳩山政権

 鳩山政権成立から丁度半年経ち、メディアではこの半年をレビューした記事が多い。実際、昨夏の衆院選挙では地滑り的な大勝を果たした民主党だが、まるでその勝利で国民から白紙委任状を受け取ったかの如き甚だしい勘違いとは裏腹に、政治とカネで総理と幹事長が秘書を逮捕、起訴されるという醜聞を演じ、更には鳩山総理の日替わり発言に日本中が振り回されている。
 民主党を実際に牛耳っているのが小沢一郎だという事は最早衆目の認めるところだが、その小沢一郎も不透明な胆沢ダムに関わる政治献金の受領、エビデンスが足りないのかもしれないがまず間違いのない水谷建設からの裏金受領、そして相続税脱税である。極め付きは前立腺ガンの治療で未だに万全ではない天皇に対する、思いやりの欠片もない公務の強要である。自らが引き連れた140余名の国会議員に握手とツーショットを胡錦濤中国国家主席に強要した見返りに、宮内庁の内規をゴリ押しで破って国家主席でもない習近平との面会を強要した無神経な暴挙があった。自らの権勢を誇示する為に天皇をも恣意でこき使う、平成のラスプーチンである。今の民主党はさながら平成の脱税王と平成のラスプーチンの共演である。
 民主党のこの半年の大罪は枚挙に暇がないが、今夏の参院選しか視野にない、集票目的の政策が日本の将来をいよいよ危うくしている現実には憤りを越えた憤怒を感じる。僕の周りの若い人達が、子供達に将来は外国に住みなさいと言っている、と聞いても情けないが已むを得ない発言だと思わせる民主政権のこの半年の滅茶苦茶ぶりである。民主党の大罪には与謝野馨が既に僕の思いを上手に纏めて月刊誌に発表しているのだが、僕は外国人への参政権付与が更に日本の国体を脆弱にすると付け加えたい。とにかく若い人が胸を膨らませられる日本の将来像が全く見えない。
 民主党の最大の罪は、着地地点に確たるアイディアもないのに何でも前政権に反対している事である。その一番顕著な例が普天間基地移設問題である。色々言いながらも結局はキャンプ・シュワブに立ち返っている。陸上か海上かの違いはあるが、陸上案の方が環境破壊が甚だしいと聞けば尚の事、日米関係にヒビを入れてまで何やら喚いていたこの半年の迷走は一体何だったのか、と言いたい。着地点のアイディアがないまま、取り合えず前政権の政策に反対を唱えた典型である。
 その無責任な反対主義は東京都の築地市場の移転問題でも問題を惹き起している。偶々昨夏の衆院選大勝の余波を駆って議決権を握った都議会で、具体的なアイディア無きまま都の市場移転案に反対し、築地市場の移転に伴う予算を割愛した新予算案を提出するとえらい鼻息のようだ。築地市場はすでに老朽化が進んでいて、一昨年も建物の一部が崩落する事故が起きている。最早待った無しの対策が必要になっている。現在の建物を補修するにしても、市場を一時何処かに移転しないと工事が出来ないのだが、その一時の移転先が見付からない。ならば全面移転しかない、という従前のプロセスがあった。勿論全面移転が必ずしも全ての市場関係者が望む帰結ではない。しかし最大公約数であった訳である。それを、過去のプロセスを無視して、或いはどのように現在の設備を補修するかの具体案がないまま、取り敢えず反対と言うのは無責任の極みではないか。それでも反対しなければ、自己アピールが出来ないと思っているのだろう。もしその程度の理由なら、東京都民は無節操な民主党政治家のパーフォーマンスに翻弄されている訳だ。
 民主党内部にも小沢独裁体制に必ずしも迎合していない勢力がある。鳩山邦夫の離党は時期尚早で軽率だったかも知れないが、自民党には旧態依然の執行部に反対する勢力がある。みんなの党のような新らたな動きもある。本当に日本の将来を考え、行政のプロである官僚を上手に利用し、日本の若者に希望を持たせる確たる将来像を描ける集団が早く出来あがり、政治の実権を取ってほしいと切望している。