ついに新党結成

　平沼赳夫と与謝野馨に加え園田博之、藤井孝男なども参加していよいよ新党を結成すると言う。平沼と与謝野は同級生と聞いていたが、年齢では与謝野の方が一歳年上のようだ。今晩の新党結成会議には石原慎太郎も参加していた。
　選挙に勝つ事しか頭にない金権政治の幹事長と、理想論ばかりで指導力も現実的な政策もなく衆院選のマニフェストを金科玉条のように繰り返してバラマキを推進する総理を戴く今の民主政権では、早晩日本がダメになるのは目に見えている。流石の連合も今日の鳩山由紀夫との会談で、財政悪化にも配慮して衆院選のマニフェストを現実的なものに見直すように申し入れたそうだ。多くの有権者も恐らくは同じような感想を持っているのであろう、内閣支持率は凋落の一途である。しかし、増える内閣不支持の声が一向に自民党支持に回って来ない。民主党では困る、だからと言って自民党も困る、と言う意見が圧倒的に多いのであろう。それを憂いて志のある議員が新党結成に動く理屈は分かる。しかし、古くは「国民新党」、最近では「みんなの党」、そして今度の新党と自民党の分裂は留まらない。これで本当に反民主の票を集め切れるのか、甚だ心許ない。
　自民党執行部も流石に若手議員を登用しないと党が保たないとやっと自覚したようで、河野太郎を園田博之の後任として幹事長代理に起用する事を今日決めた。河野太郎は派閥を批判する若手議員の一人で、派閥の領袖をも公然と批判してきたそうだ。更に政権力委員会という新たな政策委員会を立ち上げ、そこに若手議員を嵌める事も決めたそうだ。しかし谷垣禎一はどうにも動きが遅い。例えば派閥解消の要求に対しても「派閥が厭なら自分が抜ければ良いではないか」などと反論していたそうで、若手議員と議論が噛み合っているようには思えなかったのだが、今回の決断にしてももっと早く打っていてしかるべき手だったように思う。
　新党の政策は未だ平沼と与謝野の掲げるヘッドラインしか公表されていないのでどんな党になるのかは今後に待たねば分からないが、自民党の崩壊が民主党を助けているのではないかという危惧は拭えない。この夏の参院選で与党が再び過半数を押さえるような事になれば日本は当分再起不能になりそうで気が気ではないのだが、この期に及んでの野党の混乱ぶりはこの不安を益々増大させるものである。新党は一方で自民党との連携を標榜しているようなので、これが悪い方に出れば共倒れの中途半端な方針になってしまうが、何とか補完し合って反民主票を上手く取り込める体制になって欲しい物である。
　民主党も今の陣容では政権を担う能力に欠けているし、外国人参政権を初め何をやり出すか分からないので、参院選では野党に過半を取らせて捻じれ国会にして少しでも民主独走を止めないといけない。更に参院選で敗北して民主党内部の自浄を促進させ、「政治とカネ」との決別をはじめ若手がもっと闊達になれる党に脱皮しないといけない。そもそも今の政権は国民新党や社民党と連立して出来た呉越同舟政権で、政権を握りたい一心の小沢ペースで出来た与党である事は明らかで、日本の将来を見据えた政治をしようという目的は端から無かったと思われるのである。自民党の混乱ぶりは情けないが、民主党にももう一皮も二皮も剥けて貰わねば日本の危機は収まらない。