baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 インドネシア専用携帯電話

 今回はジャカルタ滞在は2日しかなく、スケジュールも詰まっていたので新しい情報を仕入れる暇もなかった。センチュリー銀行スキャンダルは相変わらず尾を引いているようだが、連日デモがある訳でもなく以前よりは少し沈静化しているのか、或いは反大統領勢が攻めあぐねているのか。ジャカルタ北部の郊外で地元住民と誰かに雇われた警備隊とが衝突して多数の死傷者が出た事件が先週あったようで、大統領側がセンチュリー銀行問題から目を逸らす為に仕込んだ衝突だ、などと言う話も聞いたが衝突の詳細を調べる時間もなかった。従い真相を推察するなど及びもつかない。大統領は昨日からバリで3日間の予定で、第二期政権の経済対策会議を開催している。地元メディアの予想では強気の経済目標とそれを達成する為の政策を打ち出すようである。日本の民主党政権より一月遅れの政権だが、国民に分かりやすい形でこうして今後5年間の経済対策を作成し公表するのだから日本りよは遥かに進んでいる。
 当地に来ると従来は日本から持ってきた携帯を国際ローミングしてそのまま使っていた。しかし、価格体系はよく分からないがとにかく費用が嵩む。日本から電話が入るときは国際通話料をこちらが払うので未だ仕方がないが、周囲の人には出掛ける事は言ってあり急用以外では携帯には電話をしないように頼んであるので殆ど日本からの電話は無い。にも拘わらず、1週間もいると2万円位掛かってしまう事もあるのでやはり国際ローミングは価格表が高く出来ているようである。
 馬鹿々々しいので以前プリペイドカード電話を買ったのだが、1ヶ月以内にチャージしないと電話が切られてしまう。既にチャージしてあるお金は未だ使えるのだが、一ヶ月以内に新たに追加チャージしないと電話が使えなくなる。僕の出張は当地に夜入ってきて翌日は朝から予定が入っているのが普通だから、結局一番使いたい時に役に立たず毎回お金を入れるだけに終ってしまうので人にやってしまった。
 先月当地に来たときに中国製のブラックベリーに似たデザインの、2枚のSIMが同時に入れられる携帯電話があったので、思わず買ってしまった。つまりインドネシアでSIMを購入すると、日本の電話とインドネシアの電話の両方をこなしてくれる優れものだと思ったのだ。ところが買ってから気が付いたのだが、その電話は日本語には対応していなかった。当地にいる間にも日本からの携帯メールは頻繁に入って来るので、日本語に対応していなければやはり不便である。結局この電話も今回、当地の欲しがっていた人に譲ってしまった。海外で売られている電話機は、日本語には対応していない。日本で要求される機能は多岐に亘り、しかも日本でしか使えないのでメーカーも初めから日本で売ることを想定していないのだ。
 日本の携帯電話の多種多様な機能は素晴らしく、技術的にも発達しているのだろうと思うのだが、残念ながら海外では意味が無い。一方インドネシアの如きIT中進国でも既に一般化している機能を持った電話機は日本では販売されていない。何とも不便で、且つ世界が今ほど狭くなっている時はないのに、日本では携帯電話メーカーも電話会社も相変わらず国内にしか目が向いていないようである。最近よく耳にする話だが、今回のようなケースでは本当に実感する。
 結局、今回ノキアの一番シンプルな携帯電話機と、当地専用のSIMカードを当地の人の名義で買って貰う事にした。SIMカードは外国人には簡単に売ってくれないので、止むを得ず知人に買って貰う事にした。その前に、勿論自分でホテルの近くの携帯電話会社に出向いてクレジットカードで毎月の料金を支払うことにして、単独でSIMカードを買おうと試みたのだが不首尾に終わってしまったのだ。当地ではクレジットカードが日本のように独立しておらず、銀行が各クレジットカード会社と提携しているようで、クレジットカードでの毎月の料金支払いは銀行の許可がないと出来ないと言う話だったのである。僕の場合は決済銀行は日本にある銀行だから、役に立たない。どうにも信じ難いのだが、当地の店員はクレジットカードも持った事がないような人が同じ説明を繰り返すだけなので、信じ難い話でも覆すことは不可能なのである。そんな経緯があってやっと当地専用の携帯電話を買うことが出来た。毎月の基本料金は500円ぐらいらしいので、知人には若干のお金を渡して毎月の支払いを頼んだ。
 という訳で、何とも軽くてスマートで、カメラにはフラッシュも付いた格好良い携帯電話機が今日やっと手に入った。次回からは、日本からの電話は従来どおり日本の携帯で高い料金を覚悟して受けなければならないが、当地では日本より遥かに安い料金で電話が使える事になった。但し常に2台の携帯電話を携行しなければならないのが少し鬱陶しい。ところで、日本では今このクラスの電話機が幾らするのか分からないが、僕が払ったのは14,000円程である。クレジットカード機能やプリペイドカード機能は付いていないが、それ以外は一見僕の形態と変わらないように見える。日本の携帯より何となく安いような気がするのは僕が世間知らずなのであろうか。
 これから空港に向かい明日朝の帰国となる。東京は今日は6月下旬の夏日で、明日はコートが欲しくなる冷たい雨だそうである。熱帯から帰国するには運の悪い天気である。相変わらず地球の機嫌は良くないようだ。