baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

普天間基地問題

 普天間基地移設問題についてはもう何度もこのブログで書いて来たので少し食傷気味なのだが、約束の期限までもう一ヶ月だというのに未だに政府案が固まっていないと言う。しかも僕が指摘してきた問題点には何一つ回答が為されていない。幾ら何でも酷過ぎて、また黙っていられなくなった。今日のテレビのニュースに出ていた沖縄県の仲井真知事は「えっ、まだゼロベースなんですか?」ととぼけて皮肉っていたが、官房長官が記者会見で未だにゼロベースで検討しているとぬけぬけと言うではないか。11月から今までの丸半年間、一体何をしていたのだろう。民主党政権の不作為の重罪としか言い様がない。
 鳩山由紀夫は優柔不断、指導力ゼロ、理想ばかり追っていて現実的でない、話が抽象論ばかりで具象性に欠ける、頭が悪い、鈍い、小沢一郎に頭が上がらず政府としての自立性がない、持論がない、アメーバ、宇宙人、等々色々言われるが、こと普天間基地問題について言えばこれらの評価のどれもが図星と言える程、形振り構わず常に問題の先延ばしに終始している。そしてオバマ米国大統領との僅か二度の会談で、二度とも日本を益々窮地に陥れている。今日に至るも未だに「必ず5月中に決着させる」などと着地点の見えない事を厚かましくも繰り返し、国民を欺こうとしている。しかしもう国民もそこまで馬鹿ではない。
 そもそも確たる腹案もなきまま前政権と米国が合意した事項を、単に政権が交代したからと言うだけの理由で反故にしてしまったのが大間違いであった。更に言えば出来もしない約束事を並べた衆院選の時のマニフェストがいけない。とにかく政権を樹立した時は有頂天で二国間合意を一方的に反故にしてしまったのだが、ベテラン政治家としては余りにお粗末であった。そして具体的考えも無きまま沖縄からの転出を公表してしまったから沖縄県民も我慢の堰が切れてしまった。一旦糠喜びさせてしまったからには、もう原案に戻る事も簡単ではない。
 国家の安全保証など端から無視している無責任な社民党共産党などが非現実的な扇動をする中で、何とか日本の為に現実的に対処しようと逆風の中で頑張っていた仲井真知事ですらもう持ちこたえられなくなってしまい、昨日の県民大集会に参加して県外移設に唱和してしまった。しかし県外移設もまた、受け入れ先もなければ米国が簡単に合意するとも思えない、現実味の極めて薄い希望に過ぎないのである。残念ながら、お調子者の総理大臣よりも遥かに国士である一県知事の力もこれまでなのか。
 一方で鳩山は最早「済みませんでした、お約束の5月には決着出来ませんでした。責任を取ります」と退陣するだけでは許されまい。時が時なら切腹ものである。せめて、議員は辞めるべきだ。国賊が国会議員であり続けるのは許されざる事である。閣僚も同罪であるが、取り敢えず議員辞職は鳩山一人で我慢しよう。何と言っても鳩山は日本の安全保障と日米関係をここまで毀損させたのだから、中国なら恐らく、ましてや北朝鮮なら間違いなく、国家反逆罪で銃殺される大罪である。鳩山には自分がその位の罪を犯していると言う意識があるのだろうか。
 今日のニュースでも鳩山由紀夫は相変わらず問題の先延ばしに終始しながらも、未だに「沖縄県外移設を目指す、キャンプシュワブ海上案などあり得ない」などと嘯いている。もう現状維持、ないしは精々キャンプシュワブ沿岸移設という原案に微修正を加える以外、時間切れである事は明らかである。そして何れにしても地元民の合意は期限内には得られないだろうから、何処に移設するにしても5月末までの日米合意は不可能で、結局は現状維持という事になるであろう。しかし沖縄県民の反感に火が点いてしまったから普天間周辺はこれから喧しくなるかも知れない。駐留米軍が嫌気しなければ良いが、立川基地反対闘争を想い出す。曲がりなりにもバランスしていた沖縄に、本土から大挙して機動隊が乗り込むような事が起きないようにひたすら祈るのみである。そして、この無意味な騒動の原因は偏に民主党政権の無責任な施政にある事を忘れてはならない。
 一方で鳩山由紀夫がどんな退陣をするのか、見物ではある。その上で、誰が獲ろうと次期政権には何はともあれ日米関係の修復と、その象徴的な懸案事項になってしまった普天間基地移設問題を、財政再建と並ぶ超優先事項として実行して貰わなければならない。