baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 首相の「海兵隊、抑止力と思っていなかった」?????

 普天間移設に関連して、昨日鳩山由紀夫が「学べば学ぶにつけ、海兵隊の部隊が連携し抑止力が維持できるという思いに至った」と言ったそうだ。思いに至るとか何とか言う次元の話ではなく、それは単なる事実に過ぎない。更には言うに事欠いて「海兵隊が必ずしも抑止力として沖縄に存在しなければならないとは(衆院選当時は)思っていなかった」とまで言ったそうだ。俄かには信じたくないが、もしそれが事実なら信じられない程の勉強不足である。世界地図も見たことが無かったのではないかと疑われる。そもそも自衛隊の最高指揮官でありながら、海兵隊の軍事面での役割も全く知らなかったという事になる。そんな事では有事に自衛隊をして米軍と共同作戦に当たらせる事など不可能ではないか。そして、アジアでの不穏な動きに対する抑止力が何たるかを全く理解していなかったという事になる。
 一国の首相として日本の防衛の最高責任を負い、日米外交を司り、日米関係の深化などと言っていた訳だが、そもそもの日米関係の根本すらも理解していなかった訳だ。そんな無知蒙昧浅薄な人間が普天間移設をやれ県外だ国外だと言っていたのだとすれば、もう日本は世界の笑い者だ。呆れ返って開いた口が塞がらない。
 鳩山由紀夫の余りの愚かさに、腹立たしいやら呆れるやらで、僕のブログのアーカイブスをめくって見た。ここで一々トラックバックしても鬱陶しいので省くが、政治や軍事には素人で一般人程度の常識しか持ち合わせていない僕ですらこの程度の事は認識していた。例えば2月20日に「海兵隊は取り敢えず先制攻撃を加える部隊」で「素早く動いてピンポイントで敵を叩くのが任務」だから紛争地から余り離れていては「抑止力にもならない」と書いている。そして1月27日には「地政学的に極めて重要な沖縄基地から米軍が撤退したらその後の勢力地図は想像もつかない事」になり「日本がボコボコにやられるかも知れない」とも書いている。
 実際、米軍の抑止力があっても尚、東アジアがきな臭いのは現実なのである。多数の犠牲者が出た韓国の哨戒艦の突然の沈没には米韓合同調査の結果北朝鮮からの攻撃疑惑が急速に浮上しているし、昨日も日本の排他的経済水域内で調査活動をしていた海保の測量船が、中国の調査船に因縁をつけられ4時間近くも嫌がらせをされている。それ以外にも普天間問題では色々腹立たしい事が多いので、随分本ブログのネタになっているが、そのどれを読んでも、手前味噌ではあるが鳩山由紀夫が今頃分かったことよりは大分理解が深い。
 衆院選マニフェスト以来大騒ぎをして、目算もないのに如何にも前政権よりは増しな振りをして良いことを言い連ね、極く数日前まで強弁を張り続けていたものが、政府案が実際に表に出て見れば自民党時代の日米合意に逆戻りである。僅かに面子を保つために埋め立て案ではなく杭打ち案を主張しているが、杭打ち案も既に埋め立て案と比較された挙句にお蔵入りしている案だそうだから、環境アセスメントや対テロ工作からの安全性、沖縄への経済効果などを考慮すれば、これも客観的には不都合な案なのであろう。徳之島への機能一部移転も当面無理だから、結局自民党時代の日米合意を一方的に反故にして引っ掻き回した挙句に現状からは何も変わらない、自民党に任せておくよりも更に酷い結果になるのである。
 小沢一郎鳩山由紀夫はお互いに傷を舐めあって頑張ろうと励ましあっているのかも知れないが、民主党の自浄作用を期待して一刻も早く政権交代を実現し民主党の幹部入れ替えを図ることが、参院選よりも何よりも焦眉の急になってきた。或いは衆参同時選挙で政権交代を図っても良い。とにかく昨日の発言で、こんな無責任で不勉強で蒙昧な総理大臣に日本を任せてはならないと確信した。