baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 東京みなと祭り

 今日は上天気に誘われて、東京みなと祭りを覗きに行って来た。数日前に新聞に出ていたのをメモしておいたので、この頃とみに忘れっぽくなったにも拘わらず、フラッとバイクで何処かへ行きたくなった時に迷わず晴海に決めたのである。
 晴海に日本丸が停泊している。帆船は何故か郷愁を誘う。郷愁を誘われる様な経験はないので、そもそも郷愁という言葉は可笑しいのだが、でも郷愁という言葉がぴったりな不思議な感覚なのである。別に僕の先祖に船乗りがいたという話も聞かないのだが、島国日本の先祖のDNAかも知れない。乗組員が一斉にマストに登って帆を張る「総帆展帆」は壮観で大好きな光景なのだが、展帆イベントは昨日だったので僕は行けなかったのである。以前、多分先代の日本丸だと思うのだが、総帆展帆を晴海と横浜で二度見ているので、どうしても見ないといけない訳でもないが、出来れば是非また見たかった。
 帆船は何時見ても美しい。今日は船内の参観が出来たのだが、大勢の人が集まっていて長蛇の列が出来ていたので僕は並ばなかった。木製甲板をバイクのブーツで踏みつけるのも余り潔しとしないし、人混みはとにかく嫌いだからである。帆船は狭い船内よりも外から見るに限る。


             (何時みてもホレボレする美しいレイディー)

 乗組員と思しき青年に話を聞いた。一番高いマストの天辺は海面から50mもあるそうだ。そして時化ると船体は30度も傾くと言う。それも左右だけではなく前後にも傾くだろうから大変な揺れであろう。実に52mもの距離を僅か数秒で前後左右に振り回され、しかも身体も30度傾く訳だから、乗組員の苦労は大変なものであろう。と言うのは、帆を操作する時にはマストに登り、横檣の下に張ってあるロープ伝いに左右に展開し号令一下操帆作業をするのである。
 更に聞く。「命綱は付けていますか?」「操帆の時は付けますが、マストを登る時は付けません」「恐いでしょう」「はいっ」「横檣が二本くっついているところがあるけれど、上の横檣の帆はどうするのですか?」「上の帆は揚げます」「えっ?」「先ず横檣に登った乗組員が帆を解きます。すると全ての帆が垂れ下がります。それから、上の横檣の帆は乗組員全員でロープを使って揚げます。甲板からも引っ張ります」。雄々しい、船に憧れる男なら誰でも血の騒ぐ勇壮な光景が彷彿とする。
 同じ広場で消防庁のデモもやっていた。はしご車の体験や、地震の体験、救急救命の体験、など色とりどりのイベントをしていた。はしご車は30mと40mの二種類あって、13階位まで届くそうである。上に上がると風もあるから相当揺れるのだと言う。それと手摺が腰ぐらいの高さしかないので、これも恐い。特にベランダに乗り移る時は、手摺を乗り越えて乗り移るので大変恐いそうだ。訓練でしか乗った事がないと言っていた消防隊員の話である。親子が体験で乗っていたが、大人は皆しゃがまされていた。体験試乗でも15m位まで上がっていたので、高所恐怖症の僕は頼まれても御免である。

       
        (海から相当強い風が吹いていたので、上は大分揺れたであろう)
 水を詰めた消火器で消火の体験をしたり、小型放水ポンプで放水の体験をしたり、ちょっとやってみたかったけれど小さな子供が主役だったので諦めた。消防服を着て消防ヘルメットを被った子供たちが可愛らしかった。