baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 さあ、どうする民主党

 小沢一郎参考人聴取に続き今日は石川和弘が参考人聴取を受けている筈である。小沢一郎は、もう新しい事実も出ないだろうからある意味開き直っているかも知れないが、検察は難しい局面である。昨日の日曜テレビ討論を見ていたのだが、野党がこぞって小沢の政倫審での弁明は意味がない、国会の証人喚問に応じて国民の疑問に応えるべきだ、と主張したのに対し民主党山岡賢次は馬鹿の一つ覚えのように「司法が捜査している事を立法府で騒ぐのは可笑しい、立法府は他にやる事がある」と繰り返していた。
 その立法府に極めて立法府に相応しくないかも知れない男が紛れ込んでいるのだから、立法府として嘘が付けない証人喚問でその男の正体を良く吟味して、立法府の一員として適切か否かを見極め、有権者にその実態を明らかにするのは当然の事である。今や国民の80%が小沢一郎の更なる説明を求めているのである。司法の捜査はそれとして、起訴されなければ「私の潔白が証明された」と嘯く輩なのだから、しっかり国民の目の届く所で追及するべきである。政倫審という議員お手盛りの、嘘をついてもお咎めの無い、しかも通常は非公開の場で幾ら無実を訴えても全く説得力がなく、それは単なる禊のセレモニーに過ぎない。
 大体小沢一郎という人にはコンプライアンスの意識が欠如している。こういう人が企業のトップであれば、その企業は極めて危うい。今、どこの企業もコンプライアンスには厳しい。内部告発も奨励し、内部告発したからと言って不利な処遇は絶対にしないとしている会社が普通である。そして、コンプライアンスと言うのは、単に法律に抵触する事をしないというだけではなく、倫理的に問題のある事は例え法制上は必ずしも罪にならない事柄も、してはならないと言うのが常識である。例えば、食品機械の清掃がずさんであった事自体は法律には触れないが、それが為に市場に不良品が出回ってしまい実質倒産した一流企業が複数あった事は未だ記憶に新しい。そういう事を防ぐ為に各社ともコンプライアンスを厳しく運用している。
 ところが小沢一郎は、習中国国家副主席を強引に、内規を無視して天皇に謁見させた時に、「何がいけないの?そんな法律でもあるの?」と開き直り、内規を無視した事を棚に上げて法に触れなければ何をしても良いと言う倫理観を披歴した。そして、その強引さを批判し、天皇の体調を慮った宮内庁々官を「全ては内閣がコントロールする事になっている。一官僚に過ぎない宮内庁々官が何を言うか、そんな内閣を批判するような事を言うなら辞めてから言え」と恫喝した。コンプライアンス違反を内部告発した社員を、社員のくせに何を言う、会社は社長がコントロールしているのだ、その社長の指示に従えないのなら先ず辞職せよ」と無茶苦茶を言っている訳だ。コンプライアンスの観点からは、居てはならない経営者の典型である。
 こんな神経、認識、倫理感の人に元々コンプライアンスの精神など理解の埒外であろう。法に触れなければ何をしても構わない、否、例え法に触れてもバレなければ構わない、と思っているのであろう。だから嘘が付けない国会の証人喚問は恐くて出て来られない。茶坊主山岡賢次に、必死になって馬鹿の一つ覚えのお題目を唱えさせていた。しかし、政倫審で弁明するのは良くて証人喚問には応じられないというのは、既に自己矛盾を起こしている。政倫審も立法府の組織ではないか。いかにも定見のない、と言うか行きあたりばったりに出まかせを言う民主党らしい。
 山岡賢次は、昨日は最後には追いつめられて「政治とカネと言うけれども、そんな民主党有権者に選ばれたのだ」と今までも繰り返し、開き直る時に使って来た常套句を口走ってしまった。9ヶ月も前の、国民の大多数が民主党の美辞麗句を散りばめた嘘八百マニフェストに騙された時の事を、未だに金科玉条にして少しの恥じらいもないようだ。同じく普天間問題では「今まで自民党政権が13年間も掛って何も出来なかった事を進めようとしている」と言っていたが、13年間掛けて何とか落とし所は固め、地元住民の同意も取り付け、やっと後4年で完成という処まで漕ぎつけた困難な案件を、何の具体案も定見も無しに無責任に引っ繰り返して取り返しがつかなくなっているのである。何しろ5月になって初めて米海兵隊の沖縄駐屯が抑止力であったと認識する程の、安全保障と外交には音痴の民主党だったのである。その結果米国にも今は袖にされ続けている。そんな現実を棚にあげて、前政権を批判する事で自己を正当化するような姑息な事はもうやめて、民主党は今こそ国家の為に真摯に反省すべき時が来ている。
 そんな民主党参院選に向けたマニフェストの見直しでは、ついに参院選後に税制改革を行うと明記する方向だと聞く。4年間は絶対に消費税率の見直しはしないと言い張っていた鳩山総理も、9月でお終いと見越しての事か。無駄を省けば16兆円は出て来ると衆院選前に国民を騙したが、幾ら事業仕分けをしてみても埋蔵金という一時金を足してみても、目標の二割にも満たない財源しか出て来なかった。財政再建は、菅直人が引き合いに出したギリシャを見るまでも無く、日本にとっても焦眉の急である。財源の伴わない票集めのバラ撒きはもう沢山である。高速道路の無料化も諦めるべきである。民主党の面子になどもう三文の値打もない。
 普天間問題で騙された沖縄県民も気の毒だが、今頃になって降って湧いたように、世論を二分するような姑息な策を弄されて島民が対立しかねない徳之島も気の毒だ。辺野古の沖合の埋め立ては「地球に対する冒涜」と言った同じ民主党が、徳之島に普天間の一部機能を移転するなら埋め立ても必要と言い出している。無定見もここまで来れば、馬鹿々々しくて一々付き合う気にもなれない。トップの無定見、無節操、倫理観の欠如、口から出まかせの嘘八百、財源の伴わないマニフェスト国債の濫発、これでもかこれでもかという民主党の悪政に、有権者は何処まで目を覚ましているだろうか。