baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 余りの暑さにまたツーリング

 連日の余りの暑さに、昨日はまた突然ツーリングに出た。昨日は昔から馴染の、在京の外人ライダー二人と一緒であった。一人はアイルランド系英国人、一人はロシア系アメリカ人で二人とも英語は母国語、僕は一人だけ仲間外れの関係である。それでも彼等はきさくで、走るのが大好きな気の置けない仲間である。
 アメリカ人が北の方から志賀高原に抜ける502号を走りたいというので、僕は二週連続の志賀高原となった。別に観光に行く訳ではないから、何処でも構わない。とにかく炎熱地獄の東京から脱出したかったのと、久しぶりに気の合った仲間と一緒に走りたかったのである。
 早朝、三芳SAで集合した。僕はちゃんと家で朝食をしっかり摂ったのだが、彼等は三芳で腹ごしらえをしている。他人の事を頓着しない処が好きなのだが、日本人に比べると大層マイペースである。僕は前の晩の酒が残っていて、未だ余り気分が良くなかったので、イライラすることもなくスポーツドリンクを飲んで酒を抜いていた。いよいよ朝食も終わり、地図を見ながら本日のコースを大雑把に決めて、さて出発となった。
 先ずは渋川・伊香保で下りる事に決めたのだが、早速アメリカ人が従いてこない。渋川のICで待っていると程なくやって来た。出発間際に買ったコーヒーが熱くて飲めなかったのだそうだ。とにかく日本人に比べると遥かに団体行動が下手である。もっとも彼等に言わせれば、子供でもないのに旗を持ったガイドの後ろをゾロゾロと、平気で従いて歩ける日本人は見ていて気持ちが悪いであろう。
 渋川から暫く街中の353号を走り、中乃条から53号で湯沢へ抜けるのだが、53号に入ってからの彼らの速い事、速い事。写真を撮るどころか景色を見るゆとりもなく必死に、と言う程でもないが、とにかく景色は殆ど見る事もなくそのまま湯沢に。湯沢からは17号を走る。この辺りまで来ると17号も交通量が少なく、両側を緑深い山に挟まれた、心地よい山岳道路である。
 17号と塩沢・石打で分かれて再び353号へ入り、十日町の手前で117号へ。何れも交通量の少ない良い道である。昨日は先週程は暑くも無く、もっとも先週は海沿いで昨日は山の中だから違ったのかも知れないが、昨日はジャケットを脱ぐこともなく、頗るご機嫌に走れた。117号からいよいよお目当ての502号である。狭い道なので車も志賀高原に近付くまでは殆ど通らない、全長71kmの山岳道路である。時たま山菜採りと思しき人達に会う以外は僕等三人で独占しているようであった。偶に対向してくる車が、油断をしてか、右側から突っ込んでくるので胆を冷やされた事を除けば、舗装は良く施されていて、最高のライディングが楽しめた。志賀高原に付いたのは丁度昼時であった。
 そこからは草津へ抜けて、草津で定番のソフトクリームを食べて、彼等に言わせるとライダーはツーリングに出たらソフトクリームを食べなければいけないのである、小諸に出た。彼等はもう一泊して今日も一日ライディングを楽しむと言うが、しかも今日はレースをやってる仲間が合流すると言う事なのだが、僕は昨日一日で充分体力を消耗したので、単独で帰る事として彼らとはそこで分かれた。
 処が小諸近辺は18号と141号が紛らわしくて、僕の地図には出ていない141号が現れて、しかも県道を走っていた為に現在位置の確認が不十分で、すっかり道に迷ってしまい、小一時間損をしたが為にとんでもない羽目に陥る事になってしまった。
 先ず、佐久で高速に乗るつもりが事故で妙義山碓氷峠の間が通行止めだと言う。少し雨がパラ付き始め、遠くの方で稲妻が光っていたのだが、仕方なく富岡まで走ったところ、富岡ではもう土砂降りになってしまった。それでもカッパを着て上信越道に乗ったのだが、藤岡JCTの辺りから雨はバケツをひっくり返したようになり、高速道路には水が溜まり出した。物凄い突風が吹いて来てバイクが大きく振られる。
 流石のヘルメットも、上下左右から叩きつける雨には耐えきれずに、バイザーの内側にまで水滴がついてしまい前がボヤけて全く見えなくなってしまった。犬のように頭をブルブル振ってみたが、効果は全くない。ズボンを中にたくし入れていたのを忘れていて、ブーツの中にも雨が入ってしまい足は水の中に浸けている様である。周囲の車もワイパーが全然効かないのであろう、殆どが40-50km程度のノロノロ運転になっている。始末の悪いのが稲光で、殆ど絶え間なく前方で、即ち高崎辺りの空が、昼間のように明るく光り、一瞬目が眩んで前の車のテールランプを見失う。
 最悪であった。SAへの避難を決めたが、表示板も良く読めないままに行き過ぎたりして、何とか辿りついた嵐山SAまでの道のりの何と遠かった事か。恐怖の帰途、楽あれば苦ありのツーリングであった。