baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 スイスでの列車事故

 スイスで列車事故があり、多数の日本人乗客が死傷した。お気の毒な事である。今年は猛暑かも知れないが、この時期のスイスは例年なら最高の季節で、それこそ爽やかな空気と、木々や牧草の緑と、青空と花に囲まれて、ご機嫌な旅の途中であったろう。一等車が脱線転覆し、一等車の乗客は大部分が日本人だったと言うから、今回は何とも運が悪かった。そして、亡くなった方や重体の方は何れも60歳を超えたシルバー世代である。たまたまなのか、或いは歳を取るとどうしても咄嗟の時の反射や防御が劣るのか。同世代として、特に危険な乗り物を乗り回すバイカーとして、他人事ではない。
 僕も昔、氷河特急ではないがスイスで汽車に乗った事がある。僕はツェルマットに登る登山電車の山麓駅まで、何処から乗ったのか覚えていないが、レンタカーごと無蓋車に乗り、山間を縫い、トンネルを潜った覚えがある。車は山麓駅前の駐車場に放りこんで、そこから登山電車でツェルマットに登ったのである。このフェリー列車もゆっくりとして、何とも長閑な列車であった。僕は車の窓を開け、空気を味わい景色を堪能したものでる。今回事故を起こしたアルプス特急も、緩いカーブではあったが時速30km程度で走行していたと言う。この列車はフェリー列車とは異なり、風光明美な景色を縫って走る事で有名だから、乗客はそれこそ窓外の景色を満喫している最中の出来事であったろう。
 事故原因はこれから調査するらしいが、僕には人為事故の臭いがする。テロとは考え難いから、レールの保守か地盤の保守に問題があったように思える。何れにせよ、飛行機はもとより、バスにせよ列車にせよ、一旦乗ってしまえば後は神頼みで、自分ではどうすることも出来ない。事故に遭うのは、正に運が悪かったとしか言い様が無い。亡くなられた方にはご冥福を祈るしかないが、負傷された方々には一刻も早く回復される事を祈る。海外での交通事故は、どうしても他人事とは思えないのである。