baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 三週続けて長野へ

 三週続けてツーリングをしてしまった。今日は、先週一緒だった外人ライダーが一泊した翌日に走った蓼科スカイラインが最高だったと羨ましがらせるので、一人で行く事にした。何時も似通った道を走っているので、今日は初めての道に挑戦することにした。
 中央高速を八王子で下りて、そのまま16号から299号に入り上野町まで行く。御巣鷹山は上野町にあると先日このブログを書いていて分かってからは、運命の分かれ目の悪戯が気になって、上野町に入るとどうしてもキョロキョロしてしまう。そうしたら今まで気付かなかった「御巣鷹山慰霊の園」という場所がある事が分かった。そして299号を挟んで反対側には御巣鷹山の稜線にでる道も出来ている。稜線と墜落現場は299号を挟んで南北にあるらしい。
 初めての道と言うのは、上野町から45号線で北上し93号線で141号にぶつかるルートの事である。ところが93号線にはいって程ない処にあった分岐で、良く分からないままに入ってしまった道が大間違いだったのだ。取り敢えず大仁田ダムの前を通った。ダムは放水中であった。ここで気付くべきであった。
           

 ここまで順調だったので、ご機嫌でダムの正面から写真を撮り、とにかく初めての道だからと先へ進んだ。ところが突然落石が増えて来て、アレヨアレヨと言う間にダート道に。そしてそのダートも、大きな石がゴロゴロしていて、連日の雨で林業のトラックの轍も深く出来ていて、写真で見る以上に僕のバイクが走れる道ではなかった。
           
 
 こんな道をグラグラ、ヨタヨタしながら這い上った。水が流れた痕跡はあちらこちらで道路を横断しており、30cm位の深さがあるところもあるのでバイクのエンジンはしょっちゅう空ぶかしされたような悲鳴を上げている。何とかU-ターン出来る場所までと頑張ったのだが全くそういう場所がない。仕方がないので比較的平らな場所でバイクを下りて取り回しで向きを変える事にした。比較的平坦地と雖も、実は相当の急斜面である。必死に支えながら向きを変えているうちに、足がガレキで滑って足場のゆるい場所にはいってしまい、ズルッと柔らかい土にもぐったかと思ったらあっと言う間にバイクを転倒させてしまった。
 慌てて起こそうとしたが、足場が悪くて僕の力ではビクとも起きてくれない。携帯の電波も圏外である。大仁田ダムからは5kmは上がって来ているので、おいそれとバイクを置いて下りる訳にも行かない。ほとほと弱った。あてもなく佇んでいると、1時間半程もしたころに、ようやく一台の4駆が上がって来た。見るとご夫婦連れである。藁にも縋る思いで助けを乞うと、ラッキーにも4駆の運転者はバイクにも乗るそうで、ぼくよりも遥かに扱いが上手い。二人掛かり、と言うか僕がほんのお手伝いをしただけでで何とかバイクが起き、U-ターン出来たので、やっと地上に戻る事ができた。あのまま夜をバイクと共に越す事になっていたら、今頃はクマの餌になっていたかも知れない。93号に戻り一路141号線へ向かう。途中93号線沿いにあった雨川ダムは、ここのところの多雨のせいか、水量も多く美しい湖の趣であった。
         

 そんな過酷な運命を共にして擦り傷を沢山作ったバイクだが、その後は良く走ってくれて予定通り蓼科スカイラインを走る事が出来た。僕の地図にはまともに載っていないのに、実際には良く整備され、交通量も少ない、楽しい30kmほどのワインディングであった。そのまま17号、6号、411号、それと何だか新しい番号を貰った道を通って甲府、塩山、奥多摩経由と、帰りは徹底的に下道を東京まで走って帰って来た。総行程508km。距離の割に疲れた一日であった。
           
 なんとも健気で従順な、愛車である。