baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 信州のサロンコンサート

 蓼科のサロンコンサートを、裏方の手伝いも兼ねて聴きに行って来た。演奏者が知り合いであった事もある。サロンコンサートと言っても来場者は100人を超え、準備もそれなりに大変である。場所は東京の資産家の、元経団連の所有物であったと言う大きな別荘で、そのオーナー夫妻が主催するのである。会場の椅子のセッティングを初め、案内の貼り出し、受付の準備など、細々とした事が山ほどあるのを手伝った。学生の頃に演奏会の経験がある事が買われ、ステージマネジャーも務めた。
 場所は299号沿いなので、目をつぶっても行ける勝手馴れたる場所である。お盆の最中なので渋滞が恐かったが、13日の往きは殆ど渋滞も無く無事に付いた。それでも往きには事故が2件、スピード違反検挙が2件あり、通算5台もの覆面パトカーに遭遇したので運転には注意した。そして今朝戻って来たのだが、お盆ラッシュのピークと予想されていた今日は、現地を7時半に出たら小仏トンネルですら少しの渋滞にも遭わず、1台の覆面パトカーを追い越す事も無く、全くの拍子抜けであった。
 13日の往路は既に下りのラッシュは終わっており、今年は1000円高速も適用されない平日なので余り心配もしていなかったのだが、今日は現地を発つ時から長蛇の渋滞を覚悟をしていたのである。どうやら中央高速の長野から東京寄りは余りお盆の影響をうけないのか、或いは鉄道と並行していて「あずさ」などの有名特急が走っており、距離もそれ程遠くないので高速道路の恩恵が東北道や関越道に比べて薄いものか。1000円高速が土日にしか適用されなかった事も渋滞緩和に効果があったのかも知れないが、何れにせよ果物のシーズンや紅葉のシーズンのような、普段の行楽の時季の休日の方が遥かに混む様である。
 このサロンコンサートは、間に指揮者の矢崎彦太郎と作曲家の新実徳英トークが入いり、最後に新実作曲の歌唱曲を新実の指導で来場者全員が合唱して終わりとなるのが毎年の恒例である。今年も例年の遣り方を踏襲したが、肝心の演奏は、前半はピアノの独奏、後半はピアノトリオであった。演奏者は、この演奏会の為にわざわざパリから来日したピアノの菅野潤とヴァイオリンの渡邉篤子、それにチェロは長明康郎という錚々たる顔ぶれであった。
 場所がサロンと言う通り、全く音楽会場として使われる事を想定していないので音響や空調に難があり、特に来場者が100人超も入るので弦楽器奏者は楽器のコントロールには苦労していたが、非常に良い演奏であった。前半のピアノは繊細な、澄んだ音が印象的であった。後半はメンデルスゾーンのトリオ、作品49であったのだが、各奏者が美しく協調するかと思えば激しくぶつかり合う名演奏であった。100人程度にしか聴いて貰えないのが勿体なかった。