baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 不作為の罪一等の政府与党

 連日殺人的な猛暑が続く。これでもか、とばかりの暑さにはほとほと閉口するが、暑さはじっと我慢していれば、いずれ必ず通り過ぎる。しかし、円高や日本の空洞化は放っておけば亢進するだけで決して終わらない。一刻の猶予もならないのだが、政府も日銀も無策である。菅直人以下の政権与党が代表選挙という権力争奪戦に奔走していて、政治を一顧だにしないのが大問題である。
 鳩山由紀夫は馬鹿な政策を色々と積極的にしてくれたから、世論もそれなりに反応していた。鳩山由紀夫の足跡と言えば、普天間問題を底なし沼に突き落してしまい出口の見えない迷走に陥らせたとか、温暖化ガス排出を2020年に1990年比25%削減すると世界に公約するだとか、夢と現の区別がつかぬ暴走を重ねた罪は重いが、未だ何かしようとしていたのでその馬鹿さ加減は常に国民の目に曝されていた。
 そこへ行くと菅直人は政権の座について既に2ヶ月、全く何もしていない。参院選挙は政府の仕事ではないから、その意味では正に給料泥棒である。何もしないから批判も少ないが、実はこの政治の空白による日本のダメージは測り知れない。円が対ドル85円近辺に張り付いて既に1ヶ月、何ら対策を打っていない。欧米は自国通貨安を演出し、中国は元高を露骨に阻止しているが、日本は一人無策のままである。はったりがない律儀な日銀と無能な政府を見越して、円買いは安心感を伴ってひるむところがない。輸出比率が高い日本の企業は、折角業績が上向いて来たのにここに来て一気に叩かれてしまう。
 日本の製造業の売上高の採算分岐点が25年ぶりに6.9%下がったと言う。リーマンショック以来の、涙ぐましいリストラの結果である。その陰には間違いなく、失業した人やその家族の涙がある。そして企業の投資準備金は140兆円にまで膨らんだと聞く。この金を少しでも国内に投資して、雇用を改善させ国内市場を活性化させて欲しいのだが、今の円高ではM&Aを含む海外での投資が益々活発化し、国内産業の空洞化が進行するだけである。企業は生き残る為に少しでも多くの利潤を追求するのは当然で、その投資が海外に向くのを責める事は出来ない。国内産業空洞化の責は偏に政府の無策にある。
 円高には、もはや露骨な介入でも良いから、とにかく円の独歩高は阻止し、日本も脂肪の塊ではない事を市場にアピールしなければならない。もうそのタイミングは過ぎているが、遅すぎる事は無い。一刻も早く市場に日本政府と日銀の、断固たるメッセージを送るべきである。同時に法人税の引き下げを早く決めなければならない。企業が国内に投資するよう、投資環境を少しでも改善しなければ雇用情勢は一層悪化するだけである。
 何もせずに権力闘争に明け暮れる民主党、何もしないから目立たない分、鳩山政権時代よりも露骨な批判が少ないが、不作為の罪は重い。このまま更に民主党代表選挙が終わる9月14日まで、場合によってはそれに続く新たな組閣が終わるまで、政治の空白が続くならそのツケは返済不能な処まで重くなってしまうのではないか。現代は3ヶ月も何もしないでも何とか凌げる時代ではない。もっと、遥かに早いテンポで動いている。そんな中、国事を一切考えずに、己の権力闘争に明け暮れている民主党小沢一郎鳩山由紀夫菅直人以下は、最早「許されざる奸賊」と呼ばれても仕方が無い。