baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 ついに小沢一郎も代表選に

 とうとう小沢一郎民主党代表選に立候補した。菅直人との仲介役を買って出ていた鳩山由紀夫が、急遽小沢一郎支持を表明したのが引鉄になったようだ。ついこの間、自分が辞任する時に一緒に辞めさせた人物、つまり自分の政権があまりに世間から見放された責任を取って辞任する時に、幹事長だった小沢にも共同責任を取らせたのかと思ったら、どうもそういう事でもなかったようだ。もし前政権の不人気に小沢にも責任があると言う考えであったのなら、舌の根も乾かない中に同じ人物を代表に推すと言う事は普通ではあり得ない。
 挙党態勢、つまり代表になったら小沢一郎に要職を用意するように鳩山から打診された菅直人が、それを明確に断ったのは理解できる。総理になった後に何度も小沢に面談を申し入れたのに、結局一度も面談して貰えなかった。時の総理に対するこれ程の侮辱もない。菅直人が拘るのは当然である。また鳩山由紀夫が辞任した時に、前政権に対する世間の批判の大きな理由の一つであった「政治とカネ」との決別を旗印にして脱小沢を徹底し、例えほんの一時期ではあれ世間の支持をV字回復で取り戻した菅直人である。「挙党態勢がダメだと言ったのではなく、小沢の同意がなければ何も決められないと言うのは良くないと言っただけだ」と言う発言も当然である。鳩山政権時代は実際、小沢の同意がなければ何も決められなかったので、僕は小沢上皇と名付けていた訳である。もっとも「何も決めない、何もしない」菅政権では、小沢の同意がなければ何も出来なかったとしても現実には殆ど影響はなかったかも知れない。
 何れにせよ、日本経済が激震に襲われている最中に内輪揉めで政治を放っぱらかしている訳だから、民主党も呑気なものである。スズキ自動車の鈴木修会長が、「やるべき事を先ずやってから内輪揉めして欲しい」と皮肉たっぷりにコメントしているが、経済界はもっとはっきり不満を表明したらどうであろう。急激な円高対策、景気浮揚対策は一刻一秒を争うもので、政局にかまけている暇は無い筈なのである。また、石原慎太郎は「金権グループと無策グループの争いで、このままでは日本は沈没する」と吐き捨てるように言っていたが、僕も全く同感である。
 実際、今更小沢一郎でもあるまいと思うのである。数日前の民放の世論調査では、78%の国民が小沢代表は支持しないという結果であったそうだ。政治とカネの問題もまだ潔白とは言い切れず、ついこの間の政権交代時には前政権の不人気に対する責任を連座して負った、しかも自民政権時代よりももっと旧い政治体質の臭いを振りまいている人物が、今更総理ではあるまい。しかしながら、国民の意見などどうであれ、得意の金権で党内の票を集めれば総理になれるのだから小沢一郎総理の可能性は十分にあるのだろう。一方で、仮に菅直人が再選されたところで無為無策が急に改まるとも思えず、迷走民主党が迷走日本、果ては日本沈没になりそうな雲行きで何とも心許ない。無力感が募るばかりである。今は一刻も早い解散、総選挙を祈るのみである。