baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 不気味な小沢一郎の目的

 数日前の民放の世論調査で78%の人が反小沢支持であった事は既に書いたが、今日の共同通信社世論調査結果では69%が菅支持で、小沢支持は僅かに15%しかなかったそうである。勿論民主党の代表選では民意は直接は全く関係なく、総合で1224ポイントに割り振られている現職国会議員、地方議員、一般党員とサポーターの票をどれだけ集めれば良いかという争いである。とは言え、議員は人気商売であるから世論の声に無神経で居られる筈はない。となると小沢一郎は、いくら金権のエクスパートで選挙の達人であっても、やはり苦戦は否定できないのではなかろうか。僕には、こういう事には抜きんでて知恵働きのする小沢の事だから、立候補を決断した時に既に覚悟していた事だったと思われる。
 となると、小沢一郎の目的は何処にあるのであろうか。或いは、本気で代表選に勝てると思っているのであろうか。世論調査程の大差はあるまいが、僕はやはり小沢不利ではないかと思うのである。かと言って、小沢が今置かれている立場や年齢を考えれば、今回は負けを覚悟で立候補して取り敢えず存在をアピールしておいて、次のチャンスに繋げるなどという悠長な事を考えているとは思えない。となればそこには何らかの確固たる目論見がある筈である。一体なんであろう。何やら不気味な様相である。
 壊し屋の異名通り、言いたい事を言って、闘うだけ闘って、見事に散った挙句に民主党を割ると言う筋書きなのであろうか。割った民主党の片割れを率いて自民党なり公明党なり、或いは第三の野党と連立を組んで政権奪取を図るのであろうか。その場合にどれだけの議員が従いて行くのか分からないが、仮にそうなると既に参院過半数割れを起こしている与党民主党には致命的な打撃となる訳で、政権運営は実質不可能となるであろう。その場合、解散総選挙となるのか、或いは衆院での総理指名で政権交代を図るのかは知らないが、またまた政治の空白が生じる事になる。
 民主党政権に見切りを付けて政権交代を図るという事であれば、今の無為無策の菅政権が続くよりは増しなのかも知れないが、この1年普天間基地移設問題に端を発した民主党政権の迷走と混乱が、今後もまだ暫く続くのかと思うと日本の行く末は真っ暗である。円高と株価対策、景気浮揚策、の策定と実行が急がれる中、更に政治の混迷が続くのである。
 小沢一郎は、もうそろそろ自己の権力欲には蓋をしても良いお歳ではなかろうか。68歳という高齢で、しかも一度は棺桶に足を突っ込んだ事もある心臓の持病持ちには、総理と言う激務は無理ではないかと思うのだ。それと、英語もろくに喋れない旧世代の外交音痴の政治家には、今の様なグローバルな時代には百害あって一利なしだと思うのだ。自身の政治とカネの問題は未だ明確に決着されている訳ではないし、普天間問題の迷走とその結果として日米関係に深刻なヒビを入れてしまった責任の一半もある。何れもついこの間の、幹事長辞任に追い込まれた時の話である。
 小沢一郎にとっては日本は祖国ではなく単なる権力欲を満たす為の媒体に過ぎないかも知れないが、大部分の日本人にとっては日本は紛れもない祖国であり、孫子の代まで繁栄して欲しいと願う母なる大地なのである。それを、一政治家の野心の為に踏みにじられ自己満足の道具にされてしまうのは耐え難い。今般の民主党の代表選はチンピラの縄張り争いである事に議論の余地はないが、その結果次第では日本の将来にまた大きな禍根を残すかも知れないと言う事に思い到ると、やはり民主党内の内輪揉めで済ませずに注意深く監視していなくてはいけないのかも知れない。